電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

やさぐれる

「主人はどうなるのでしょうか」―今日の午後、職場の後輩の奥さんから電話がかかってきました。日本での書籍出版からの完全撤退と編集部のリストラの話を聞き、いてもたってもいられなくなったのでしょう。

彼女は弊社のカスタマーサポートの元社員です。そして私は2人のキューピッドだったりします。「彼女のことが好きなのだけど、どうしましょう」と後輩に相談され、一肌脱いだわけです。他人のことよりまず自分のことを何とかしろと言われそうですが、そのときはまだふみちゃんに出会っていなかったもので。

そういえば、“元”といっても彼女は退職したわけではなく産休中のはず。産休はまだもうしばらくあるはずですが、このような状況では戻れないかもしれません。そもそも、もし戻るポジションがあったとしても、旦那はいないかもしれないのに自分だけ戻るというのもいたたまれないと思います。

編集部員は私を含めて7人いますが、社内の別ポジションへの配置転換を提示されたのが私以外にもいるのか、それは分かりません。社内の別ポジションへの配置転換についてはしばらく伏せておくよう厳命されたため、私は誰にも話していませんし、後輩も仮に提示されていたとしても話さないでしょう。

彼女が産休に入るころは「ここ、本当に外資系?」というぐらい穏やかな職場でした。編集部員は全員、読者のためになる書籍を刊行すべく、著者や原稿と真摯に向き合っていました。時にはぶつかり合うこともありましたが、それも手抜きをしないがため、まさに真剣勝負だったわけです。まだ、つい1年前のことなのに。

それが昨年末あたりから微妙に変わってきました。2016年の刊行計画がなかなか決まらず、二転三転して決まったと思ったら昨年の刊行点数から10タイトル以上減っていました。刊行計画から外れたものの中には、すでに原稿の執筆が始まっているものもあり、同僚が著者に謝りに行く姿を見かけました。

今になって思えば、この頃から日本での書籍出版からの完全撤退がほぼ決まっていたのかもしれません。そして、いい加減、2017年の刊行計画を決めて動き出さないとヤバい、というところで今回の発表です。外資系が隠していた牙をむいたわけです。彼女には「正直言って、自分もまったく分からない」としか言えませんでした。

マネージャーたちも決して好きでクビを切るわけではないはずです。期間の長短にかかわらず、縁あって同じ場所に集まったメンバーですから、苦渋の決断なのだろうと思います。しかし、頭では分かるのですが、どうしても恨む気持ちが消せません。

私はひとまずクビにならない見込みですが、そうして残ったところでこれまでどおりの気持ちで続けていけるのか、もしかしたら出ていったほうがよいのではないか、結局、2日間悩みっぱなしです。

こういうやさぐれた気持ちは汗と一緒に出してしまえ!ということで、今夜は麻婆豆腐を作りました。

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しかし、まだ残っていると思っていた花椒がなく、しびれる辛さがないのがイマイチ。そして、休日は時間がかかるものを、ということで煮豚を。これは一晩寝かせて、明日の夜に。

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ふみちゃんに私の手料理を食べてもらいたいと思う日曜日の夜です。