電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

昔は良かったと思ってしまう

過去を振り返ったり、「昔は良かったなあ」と思ったりするようなとき、人は大抵、弱っています。前の会社の元同僚とメールしていてそう思うときは末期です。「こんなところで働けるか、すぐにでも辞めてやる」と思って転職したわけですから。

特に、私の場合、自分なりに必死でがんばってきたにもかかわらず、米国本社の一言で書籍編集部がなくなり、朝イチで退職合意書へのサインを迫られました。こんなところは1日でも早く辞めたいと思っていましたし、転職先が決まった瞬間の喜びは半端ありませんでした。

しかし、在籍中に仲が良く、いまでも連絡を取り合う人がいて、メールで状況を聞いていると、何となく戻りたくなってしまうという、不思議な状況に陥ります。仮に戻ったとしても、またすぐ辞めたくなることは目に見えているのですが。

これはこうして前の会社、過去の自分に対してマウントを取ることで優越感を覚え、いまの自分を肯定しよう(したい)という気持ちの表れではないかと思います。転職したいま新しいことを上手にできず、しかし何年もやってきた前の会社の仕事であれば簡単にできるわけです。

このプレッシャーに負け、また転職した場合、しばらくは「自分の居場所はあんなところではなかった。転職して正解だった」と思い、しかし数年経ったらまた以前に戻りたくなるという図が目に見えています。どこにいっても同じです。

また長い1週間が始まったと思ったところで実は休みだったことに気付き、とても得した気分です。サラリーマン諸君、今年もあとひと息、何とか乗り切ろうぞ。