電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

同僚がリストラを食らう

中途採用が多く、2~3年ごとに各社を渡り歩いていくのが当たり前の外資系では、仕事が終わってから飲みに行くような同僚はなかなかできません。20年前に新卒で入社した会社の同期たちといまだに年1~2回は会っていることを考えると、いまの会社の薄い付き合いには常に違和感を覚えます。

ただ、そんな中でも数人、仲良しさんはいるわけで、しかもそのうちの1人は仕事でほとんど絡まない部署の人だったりします。偶然が重なってあるプロジェクトで一緒になり、少し話したら高校が同じだったというさらなる偶然で、何度か飲みに行きました。いまの会社ではいちばん話せる人でした。

そんな彼から今朝、退職することになったとメールが届きました。彼の部署が丸っとなくなるという、要はリストラです。それっぽい噂は小耳に挟んでいましたし、私も外資のリストラを経験したことがあるので「あぁ、いつものことか」としか思いませんでした。

もし、外資系でリストラに遭ったら、解雇を覆すことは絶対に不可能なので、特別加算金を上乗せしてもらうなど、少しでも退職条件が良くなるように交渉するに尽きます。これは日系企業にもいえることではないかと思います。

むしろ、日系企業のリストラへの対応として当てはまるかもしれません。社員をそう簡単に解雇しない(できない)日系企業がリストラするということはよっぽどのことです。いったんリストラすると決めたからには徹底的にやるはずです。

「40代以上の再就職は想像以上に厳しいので、どれだけひどい目に遭っても会社にしがみつけ」というアドバイスをよく見かけます。確かに、そのとおりだとも思います。しかし、しがみついた結果、さらに悲惨な状況に陥ることも事実です。

追い出し部屋に押し込まれ、PCと電話だけを与えられて、再就職先を見つけるよう1日中、強制されたり、単純作業を長時間やらされたり。また、これまで尽くしてきた会社に対する恨み、つい先日まで仲良く仕事をしていたのにあっさり手のひらを返す同僚に対する不信感。精神的にやられてしまいます。

特別加算金を上乗せしてもらい、1年間は仕事がなくても生きていける状況を確保して、転職活動に専念するか。必死にしがみついて1年間、がんばってみたものの、精神的にボロボロになって、再起不能で残りの人生を終えるか。

外資系、日系を問わず、いまもどこかで解雇通知を受けた人がいるかもしれません。突然の解雇通知、頭の中が真っ白になって、何も考えられなくなるでしょう。よく分かります。私も出社したらいきなり会議室に連れ込まれ、退職合意書へのサインを迫られたことがありました。よりにもよって30代最後の誕生日に。

新型コロナウイルス感染症の影響による不景気と、これに伴うリストラは年末にかけて本格化するはずです。いつ解雇通知を受けてもすぐ再就職先が見つかるよう、ふだんからスキルを磨いておくことが重要…というのは誰しも分かっていることですが、スキルを磨く時間がないのが実情でしょう。

それでも、自分の身は自分で守るしかありません。いま最もほしいものは安定です…とか何とか言いながら、仮に公務員にでもなったら退屈すぎてすぐ辞めるのだろうと思いますが。