電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

小心者の私

数か月前に誰にも何も言わずいきなり辞めた上司が、あるイケイケの外資系ベンチャーの執行役員になっていることを知りました。「裏切りだ」などと思っているわけでは決してなく、本意ではなかったのに権力争いに巻き込まれて辞めざるを得ない状況に追い込まれたことを知っているので、お元気そうで何より、というのが正直なところです。

ただ、やはりできる人はすぐに行き先が見つかる、しかもかなりのポジションであることが羨ましく、自分と比べてつい卑屈になってしまいます。ご一緒したのは約1年でしたが、短い期間で「この人、すげぇ…」と思うことばかりでした。辞めてすぐ、そのポジションに就けたことも納得です。

前職で、出社していきなり会議室に連れ込まれ、クビと言われたときの私はお先真っ暗でした。転職先などすぐに決まるわけがない、しかも無職期間ができてしまったら再就職など永遠に無理だと思いました。運良くすぐ辞める必要はなくなり、じっくりと腰を据えて転職活動に励むことができたのは不幸中の幸いでした。

できればもう転職活動などしたくありませんが、流れが早い外資である限り、定年までいられるなど思いません。ようやく3年目に入ったところで、長続きしていると思うほどです。眠る前に、明日、出社していきなりクビと言われたときのことを考え、そう言われても大丈夫であるよう備えてしまうのは、我ながら正常な神経とはいえません。

3社目に在籍中の私は比較的、転職に慣れていますし、2~3か月であれば副業のライター業で乗り越えられる自信があります。ずっとこれで生きていけるような、組織に在籍しているもののいざとなったらいつでも1人で生きているような、そんなスキルとキャリアを身につけた人間であるべきと思いつつ、現実はひとまず明日の仕事があってホッとする小心者の私です。