電車の中の恋人

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ReadMe!の思い出と書き手そのものに価値を見出してもらうこと

初めてウェブ上で文章を書いたのはいまから20年前、2000年後半だったように記憶しています。就職活動用に自分専用のPCを買い、テレホーダイ(!)でネットにつなぎ、個人ニュースサイトやテキストサイトを夜な夜な巡回するようになったころです。

新聞社など1次情報の発信者がまだウェブに本腰を入れ始めたころで「(情報が)あっちには載っていて、こっちには載っていない」ということも多く、それをまとめた個人ニュースサイトが盛り上がってきていて、私もその流行に乗っかったわけです。

プログラムはもちろん、HTMLの知識すらまったくなかったので、PCに入っていたホームページビルダーで手動更新、しかもゴミタグ満載の恥ずかしいサイトを、伝説の読み物サイトランキングサイト「ReadMe!」の上位ランカーを夢見てせっせと更新していました。

「TECHSIDE」「ほんわかキリン本店」「Narinari.com」あたりがメジャーどころ、更新頻度・質ともに圧倒的で、自分も人気サイトの管理人になりたいと思いながら毎日更新を続けていましたが、手動で更新することに限界を感じていました。

そこに出てきたのがウェブログです。海外で流行り始めたところで01年米国同時多発テロが発生し、現地にいる市民がウェブログで情報を発信しまくったことで急激に広まったと記憶しています。そして各種ツールが日本語化され、私も手を出したわけです。

ただ、各社がフリーで提供していたウェブログツールはカスタマイズできず、また行き詰まりを感じたころに出てきたのがMobavle Typeです。いまの最新版は7のようですが、私が始めて使ったのは2.6.xぐらいだったと思います。

そのころはADSLによる常時接続も珍しくなくなり、仕事の合間にせっせと更新し、ウェブログを紹介する雑誌で何度も取り上げられるぐらいにはなりました。しかし、出先の支局から主要総局に異動になったところでさすがに時間がなくなり、3年ぐらいで閉鎖しました。

去年、仕事で知り合い、何度かご一緒している方がいらっしゃるのですが、実はこの方が当時憧れていたReadMe!上位ランキングのサイトの管理人だったことを知りました。もう何年も前に更新を停止していますが、404にはならずにまだ残っています。

あのころは管理人や書き手のキャラが立っていたというか、管理人が集めたニュースの集合体とそのコメント、書き手そのものに価値が見出されていましたが、最近は書き手はどうでもよくてニュースもしくはコメントのみに価値が見出されるようになった気がします。

それが悪いというわけではありませんが、ReadMe!全盛だったころのテキストサイトのことを思い出すと少し寂しく思ったりもします。いまのようにわざと炎上させてインフルエンサーだと勘違いしているような書き手は少なく、正しく盛り上がっていたと思います。

私は、私の考え方やそれに基づくテキスト、私そのものに価値を見出してもらうことを目指し、コツコツと更新していきます。