キレイな文章の書き方のコツ(第3回)
第1回から第2回まで半年も空きましたが、第2回から第3回までは1か月に抑えました。それでも連載と呼ぶのはおこがましいですが、第3回を書いてみます。
第3回のテーマは「~することができる」です。
書くことはできるけど、話すことができない ― 日本の英語教育の問題として度々、指摘されることです。会話を教えることができる教師が少ないからです。
ここまでしつこい文章はなかなかありませんが、例文なのであえてしつこく書いてみました。私は次のように修正します。
書けるけど、話せない ― 日本の英語教育の問題として度々、指摘されます。会話を教えられる教師が少ないからです。
- 書くことはできる→書ける
- 話すことができない→話せない
- 指摘されることです→指摘されます*1
- 教えることができる→教えられる
前回のテーマ「行う」と共通していますが、とにかく回りくどいわけです。なぜあえて動詞を名詞化して補助動詞を足す必要があるのか、持って回った表現を使うと頭が良くなったように感じるからなのか。
読みやすい文章とは、無駄を削ったものです。何が無駄か、自分で気付くのはなかなか難しいのですが、声に出して読んでみるとよく分かります。私も記者になりたてのころ、デスクに自分が書いた原稿を声に出して読まされました。
「れる・られる」の4用法
ただし、何でもかんでも無駄を削ればよいわけでないのが曲者です。例えば、上記の「教えられる」は文脈によって受身になることもあります。「教えてもらう」という意味です。
同様に「見られる」という言葉も「見ることができる」と「(誰かに)見られている」のように、可能と受身の2つの意味があります。
さらに「起きられる」という言葉は「起きることができる」という可能の意味と、「○○さんが起きられた」という尊敬の意味を持つことがあります。
国語の授業で助動詞「れる・られる」の用法として受身、可能、自発、尊敬の4つを教えられたことを何となく覚えているのではないかと思います。文意を誤解されないよう気をつけましょう。
第1回と第2回はこちら。
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*1:今回のテーマとちょっと違いますが