電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

売り手市場と買い手市場

いくら売り手市場といっても決まらない学生はなかなか決まりません ― 就職活動の話です。

高い就職内定率や人手不足を嘆く中小企業の声を見聞きすると「少し前だったら無理だったけど、売り手市場のいまなら自分も人気企業に入れるかも!」と錯覚してしまいがちです。

大手や人気企業が採用枠を増やしているのは確かです。しかし、それはあくまでも不景気のときと比較したらであって、均してみると採用枠は微増か変化なしではないかと思います。

超就職氷河期で採用人数を抑えて以降、どの企業も少ない人数で業務を回せるよう効率化してきました。今後も人の手を減らすことが至上命題ですし、大手や人気企業の採用枠が増えることはないはずです。

それをどこでも選り取り見取りと勘違いすると苦戦します。売り手市場と言われ、内定を得やすいと勘違いした人の応募が増え、逆に厳しくなっているのではないかと思われます。

超有名企業一覧

コーヒーを飲もうと寄ったカフェで、隣に座っていたのがリクルートスーツを着た女子学生でした。面接攻略本を食い入るように読んでいたので、書類は突破し、面接を控えているのでしょう。

たぶんトイレにいったであろうとき、テーブルの上に開いて置きっ放しだった手帳のページが目に入ってしまいました。決して覗き見したわけではなく…いや、でもチラ見したことは確かで。

そこには誰でも知っている超有名企業の名前がずらっと書かれていて、その横に×の字が書かれていました。たぶん就活中で、企業名があって、×があるというのは、やはり落ちたということでしょうか。

優秀なだけでは…

この女子学生は超絶優秀なのかもしれません。ただ、大手や人気企業は優秀であれば入れるわけでなく、コネや人脈など様々な要素を求められます。要はかなり難しいということです。

誰しも好き嫌いがありますし「こういう会社に入りたい」という希望があります。それは当たり前のことです。入ってすぐ辞めてしまう雇用のミスマッチは企業と学生の双方が不幸になります。

ただ、需要と供給を見誤ってはいけません。彼女が2020年卒の3年生であればまだ1年間丸々、残っています。願わくば希望通りに決まってほしいですが、手帳にあったような企業だけ受けていたら厳しいかも。

働き方でひどい目に遭っている世代なので、未来ある若者には同じ目に遭ってほしくないと思っていますが、もし勘違いしているなら教えてあげたいものです。

大手や人気企業はいつでも超買い手市場ですよ。