電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

人事異動のシーズン

人事異動のシーズンです。

退職者は、内部事情を知っているので共感してくれつつ話しても特に害がないという、愚痴をこぼすにはとても都合の良い存在です。2社も経験していると興味がなくとも連絡がきます。

辞めた人のほうが内部事情に詳しいこと、よくあります。「何でそんなこと知ってんの?」と驚いたことは数知れず。人は人事情報が気になって仕方ない生き物なのです。

特に前々職では、私の年齢ぐらいで出世コースに乗れたか乗れなかったか分かってくるころです。先週、発表された主要人事について悲喜こもごもの情報が寄せられています。

私の同期が先輩をごぼう抜きにし、政治部で超重要取材先担当になったそうです。つまり、政治部の将来のデスク候補筆頭のエース記者になったわけです。奴は優秀だったので順当です。

ただ、あとは先輩や同期が支局長になっただの、後輩が本社に来て出世コースに乗りそうだの、元上司がついに定年だの、絶対的お局様が結婚することになっただの、今年はたわいない話です。

出社したらクビ

外資系、ひいては海外の労働事情はひどいとよく言われます。実際、私も朝、いつも通り出社したらいきなりクビになった経験があります。文字通り、目の前が真っ暗になりました。

いくら外資系といっても、いきなりのクビは衝撃です。外人はクビに慣れていると思っていましたが、私と同時にクビ宣告を受けた外人も人生が終わったような顔をしていました。

しかし、海外は日本に比べて雇用の流動性がある程度、確立されています。終身雇用の概念がなく、クビになったら「じゃ、次いくか」、クビにならなくても常に自分を高く買ってくれるところを探しています。

つまり、いまいるところで実力があるのに評価されないのであれば、別のところに移ることができます。転職が珍しくなく、そもそもキャリアアップには転職しかないわけですから。

日本の労働市場は雇用の流動性が確立されていません。ひと昔前と比べれば転職のハードルがずいぶん下がりましたが、それでも40歳を過ぎようものならまず難しいでしょう。

不満があるなら

私に連絡してくるのは不満がある奴です。「俺もお前みたいに転職しようかな」と必ず言います。転職先などないからやめておけ、と私は言います。新聞記者はつぶしが利かない職種です。

不満があっても転職できず、定年まで鬱屈した気持ちのまま働き続けなければならないのは苦痛です。それに対し、あくまでも“実力があれば”ですが、不満があったら転職しやすい海外の労働法制は、一概にひどいと言えるのかどうか。

残業時間の削減や有休取得の強制、同一労働同一賃金など、働き方改革が叫ばれていますが、本当に良い働き方とは何だろうかと常に考えています。人によって違うことは重々承知ですが。

金かやり甲斐か、地位か名声か、安定か。仕事に何を求めるか迷うことは幸せに思えます。私のような超就職氷河期世代は「生きるため」しか選択肢がなかったわけですから。

仕事って何だろー。