電車の中の恋人

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外資系と日系の人事の違い

上司が急に変わることになりました。毎年のように行われる組織変更や突然の上司の交代など外資あるあるなので慣れっこです。

私の現在の序列は次のとおりです。

  1. ダイレクター(=部長、東京)
  2. マネジャー(=課長、大阪編集部編集長)
  3. 私(アソシエイトマネジャー=課長代理、東京編集部編集長)

組織図では大阪にいるマネジャーが私の上司になりますが、ふだんはメールや電話でのやり取りばかりで、東京にいるダイレクターが私の上司のような感じです。

今回、ダイレクターが変わります。今月、入社したばかりですが、外資系・日系を渡り歩いてきた50代の方…だそうです。実はまだお目にかかっていません。

外資系と日系の大きな違いの1つとして人事制度がよく挙げられます。外資系に人事部という部署はもちろん存在しますが、大きな権限はありません。

外資系で人事権を持っているのは現場のマネジャー(or ダイレクター)です。そのため、業務実績がそのまま評価に直結します。

人事部は人材採用や配属などに関するサポートを請け負うだけであり、スタッフを異動させたり、昇進・昇給させたりはできません。

例えば、仕事ができない部下のクビを切れるのは現場のマネジャーで、人事部は退職手続きなどを機械的に進めるだけです。

一方、日系は人事部が大きな権限を持っています。人材採用から配属、昇進・昇給など組織全体を見渡して人事部が決定していきます。

これにはどちらにもメリットとデメリットがあります。

外資系

  • メリット:仕事ぶりを間近で見た上で評価してもらえる。成果を上げれば給料やボーナスに直結しやすい
  • デメリット:上司の好き嫌いで評価されることがある

日系

  • メリット:性格などに左右されず、第三者として冷静な目で評価してもらえる
  • デメリット:仕事ぶりを間近で見ていないため実力を正確に把握しにくい。突出していても周囲との兼ね合いで抑えられることがある

外資系では自身の実績を間近で見てくれる人が評価してくれるため、成果が給料やボーナスにつながりやすくなります。いわゆる実力主義です。

日系では現場のマネジャーからの意見を参考にしますが、働きぶりを直接見ていない人事部が評価することになるため、実績が給料やボーナスに反映されにくくなります。

ただし、外資系ではマネジャーの個人的な好き嫌いがどうしても反映されやすくなります。好かれれば天国ですが、嫌われれば地獄です。

外資系は実力主義だと言われますし、それに憧れて入社する人も多いですが、実際は日系以上にゴマすり能力が求められます。

もちろん仕事ができなければお話になりませんが、仕事はほどほどでも上司に気に入られれば出世できますし、給料も上がるわけです。

その点、日系では第三者である人事部が客観的な視点で評価するため、私情が挟まれにくくなります。個人の実績より会社全体を見て判断します。

外資系で出世するには、いかに上司にゴマをすれるか、どれだけ上司を良い気分にさせられるか、最終的に上司を昇進させられるか、です。

実績を上げて上司にアピールしつつ「この実績は上司のおかげです!」という姿勢を見せて上司を昇進させるのが外資系社員の役割です。

「こいつはオレを昇進させてくれたかわいいヤツだから給料上げてやろう。あいつは仕事できるけど嫌いだから据え置きでいいや」― 外資あるあるです。

外資系はドライなようで生々しいわけです。もちろん私もこれから新しいダイレクターにゴマをすりまくるつもりです。仕事そっちのけで実績一覧を作り直します。

◆ゴマすりにうんざりするとつぶやいています → ずずず (@wakabkx) | Twitter