強烈な副作用~インタビューでの失態
インタビュー中に禁煙補助薬の強烈な副作用で中座するという失態を犯しました。
インタビューを受け、それが記事として人目に触れるということは、誰にとっても嬉しく、誇らしい気持ちになることです。
新聞記者として駆け出しのころ、町内会のボランティアで自治体から表彰された方にインタビューしたことがありました。正直言って「下らねぇ」と思いました。
「自分はこんなちっぽけな記事を書くために新聞社に入ったんじゃない。社会を変えるようなスクープを取るんだ」― いまとなってはお恥ずかしい話です。
本社の経済部に異動した数年後、その方に偶然、再会しました。私は完全に忘れていましたが、あちらはすぐ私だと気付いたそうです。
そして、折り畳まれてボロボロになり、変色したインタビュー記事の切り抜きを見せられました。常に財布に入れて持ち歩き、事あるごとに見せているそうでした。
こちらにとってはたくさんの中の1人でしたが、あちらにとってはたった1度の出来事、インタビューしてくれた、たった1人の記者です。インタビューとはそれぐらい思い出になるものです。
それから、記者という仕事、インタビューに対する考え方が変わりました。ロングインタビューは100人以上こなしたので、すべてが全力だったわけではありません。しかし、万全であろうと常に心がけていました。
きょうのインタビューの途中であまりの吐き気をガマンできずに中座し、トイレで吐いてしまいました。禁煙補助薬の副作用だと思います。
インタビューは2週間前に決まっていたことで、体調を整える時間は十分にありました。禁煙補助薬を飲み始めたのは私の都合です。
戻った後にとても心配されました。幸いにもその後は復活したのでスムーズに進行できましたが、ほんの一瞬でもせっかくのインタビューを止めてしまったことはプロ失格です。
「何でこんな辛いことやってるんだろう。何でタバコなんか吸ってたんだろう」と思います。ただ、弱っていたときに依存できたのも事実で、すべて否定することはできません。
きょうは500円玉でなく100円玉を5枚です。まだ5日間しか経っていませんが、私はタバコをやめます。もう吸いません。