contractor ≠ 契約社員
たまには英語の話でもしてみます。
オフィスではみんな首にIDカードをぶら下げていますが、正社員は「EMPLOYEE」、契約社員や派遣社員は「CONTRACTOR」と書かれていて、IDカードの色も違います。
こうして一目瞭然で分けることは差別に当たると感じる人がいるかもしれませんが、これについてはひとまず差し控えさせてもらいます。今回はcontractorの使い方についてです。
contractorとは直訳すれば「請負人、契約者」となります。こうしてみるとcontractorを契約社員と訳すことに問題はないように思えますが、実際には大きな違いがあります。
契約社員:直接雇用有期契約労働者
派遣社員:非雇用有期契約労働者
contractor:非雇用個人請負
雇用先か派遣会社の違いはともかく、雇用主と労働契約を結んでいるのが契約社員や派遣社員です。一方、contractorは企業と業務請負契約を結んだ個人事業主、いわゆるフリーランスです。
正社員、つまり直接雇用無期契約労働者でも簡単にクビを切れる米国では、有期であっても労働者と労働契約を結ぶ意味がほとんどありません。むしろ労働者の保護を意識しなければならず面倒なだけです。
そのため、米国には契約社員や派遣スタッフという概念がありません(正確には、まったくないわけではないそうですが、このあたりを書き始めると長くなるのでまた別の機会に)。
contractor=フリーランスだと分かれば、contractorを契約社員や派遣社員に当てはめることが間違いだと気付くはずです。そういえば前の会社でも派遣社員のメールアドレスには「(CON)」と付いていました。
休憩スペースでコーヒーを飲んでいたら、最近仲良くなった外人に上記のことを言われたので書いてみました。ちなみに彼は直接雇用有期契約労働者という言葉がすんなり出てくるぐらい日本語がペラペラです。
母国語以外の言語が堪能って羨ましい。