5段階の選考
退職者が出てポジションに空きができたとき、外資系では内部で昇進させるよりもポジションに見合った人材を外部から採用するほうが一般的です。
日系は年功序列で、給料も役職も社歴に比例して上がっていきます。しかし、終身雇用という概念に基づくこのようなシステムは世界的に見れば稀です。
外資系では転職回数が4回、5回など珍しくありません。内部で昇進することがほとんどないため、転職を重ねることで給料や役職を上げていくわけです。
以前にも書きましたが、日系で働くということは就職ではなく就社です。いまは日本でも転職が当たり前のものとなり、年功序列や終身雇用は過去のものとなりつつありますが、それでもまだ就社の意識が高いと思います。
私が今回、採用されたのは、空きができたポジションにピッタリと当てはまったからです。スキルとキャリアがダイレクターレベルには達していないもののスタッフレベルではスペックオーバーでした。
その中間より上、日系の係長や主任よりもう少し上のスキルとキャリアを持った人材が求められており、私はその条件にピンポイントで合致したことになります。募集要件がスタッフレベルであれば不採用だったと思います。
役職が付くため、今回は内定まで5段階ありました。まず書類選考で、通過後にテーマに沿った作文の提出を求められました。そこから一次、二次、三次と面接が3回ありました。ちなみに三次面接は日本人と日本語で1時間、外人と英語で1時間でした。
この後、予定外のことがありました。当初は三次面接が最終だったのですが、その後に「部下となる予定の6人と会ってほしい」と言われ、エクストラで面接が設定されました。
もちろんそこで不採用となる可能性も十分あり、それをクリアしたので内定が出たわけですが、さすがに5段階の選考は疲れました。できればもう転職したくありません。
ただ、そこまで吟味した上で内定を出してくれたことは純粋に嬉しいですし、希望を大幅に上回る年収が提示されたことは私に対する高評価と素直に受け止めたいと思います。
自分が好きなことをやらせてもらえるだけでなく高い給料まで払ってもらえるだなんて、やはり私は恵まれているのでしょう。プライベートまで求めることは贅沢なのかもしれません。