電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

もがいてもがいて

きょうの午前中に“仕事で”母校に行ってきました。大学とも取引がありますし、営業など他のスタッフは何度も行っているようですが、私は初めてでした。

私が通っていた文学部キャンパス、略して文キャンはメインキャンパスから少し離れています。仕事の打ち合わせはメインキャンパスだったので、終わってから文キャンを見にいきました。

卒業してから10年以上が経っていますが、キャンパスに入り、ゆるやかなスロープを上れば、学生時代のことはすぐに思い出せます。喜んだり怒ったり哀しんだり楽しんだり…常に感情がむき出しでした。

スーツやネクタイは着慣れるものです。就職活動中の学生や新入社員のスーツ姿がしっくりきていないのは着慣れていないからです。文キャンでもリクルートスーツを着た学生を見かけましたが、スーツに着られている印象を受けました。

一方、私はもう何年もスーツを着てきました。いまは私服がメインですが、たまにスーツを着ても特に違和感がありません。スーツもネクタイも日常の一部となりました。

卒業して数年間はここに来ることができませんでした。夢を諦めて就職した自分が惨めに思えたからです。「何であいつが残れて、オレはダメなんだ」とばかり考えていました。

あの頃からずいぶんと時間が経ちました。学生から見た私はその場に馴染んでいないエイリアンだったことでしょう。そこはもう私がいる場所ではありません。

助教授になったゼミの同期にひと言、挨拶していこうと研究室を訪ねましたが、出張に出かけているそうで留守でした。アポなしでいきなり行ったのですから仕方ありません。

あの頃の私は、いまこのような人間になっていると思っていませんでしたが、これが決められた運命なのでしょう。これまでの分岐点はすべて必然だったはずです。

ただ、そうであったとしても納得できていないのであれば抵抗すべきです。もがいてもがいてもがき抜いて、少しでもより良い人生を目指していきます。