嫉妬
他人の良いところを認めていかないと上には行けない ― 大学を卒業して10年以上経ったいま、恩師に言われたのと同じことをマンガに言われるとは思いませんでした。
修士課程を修了してからパリ第四大学の博士課程に進み、フランスで助手や講師をしながら研究を続け、母校に研究者として戻ってくる…という私の夢を同期は実現しました。
パリ第四大学への留学もフランスでの修業時代もかなりの苦労を重ねたことを知っています。私ではきっと耐えられなかったはずで、彼はそれに耐えていまの地位を手に入れました。
しかし、いまでもふと思ってしまいます。「学部生のころはオレよりも数段、下だったのに何で?オレとあいつのいったい何が違うんだ?」と。
答えは明白です。決して諦めずにコツコツと追い求め続ける姿勢に差があったわけです。言葉にしてしまうと簡単なことのように見えますが、実践できる人は世の中に一握りしかいません。
恩師はこのことに気づいていたのでしょう。ゼミでもトップの成績で、彼を含む下位の学生を私が無意識のうちに軽んじていたことを。そして、暗に私に苦言を呈していたのだと思います。
それはいまでもできていません。他人の良いところを認める前にまず嫉妬し、何で自分ではないのかと思ってしまいます。無意味であることは分かっているのですが、やめられません。
きょうの横浜はとても暖かく、髪を切りにいった帰りに川沿いを歩いてきました。つぼみはまだ小さく、固そうに見えますが、あと1か月も経たずに咲き始めるはずです。