編集者の習性
絶対音感を持つ友人がいます。一緒にバンドを組んだとき、曲を聴けばすぐに弾けたことが羨ましく、憧れを感じました。
しかし、本人曰く「日常の生活騒音が頭の中ですべて音符になって流れていくからたまったもんじゃない」とのことでした。
絶対音感は幼少時に正しい音感教育を受けなければ身につきません。私のような凡人には想像すらできない世界です。
ただ、面倒くささでいえば似たような感覚を味わうことが私にもよくあります。これまで記者や編集者として過ごしてきたせいで、街中で目につくテキストが気になって仕方ありません。
例えばこの写真。先週、近所を散歩していて前を通りかかった瞬間に目が釘付けになったのですが、お分かりでしょうか。
× WIN
○ WINE
ワインのスペルが間違っているのです。あえてこのようにしているのかもしれないと思い、店頭のメニューなどをよく見てみましたが、やはりワインが売りの肉バルのようです。
念には念を入れてスマホで検索してみたところ、やはり公式サイトで「WINE RESTAURANT」となっていました。
そして今日、帰ってきてマンションのエレベーターに乗ったところ、部品交換のお知らせが貼られていたのですが、お分かりでしょうか。
本文5行目の「尚、」の前を一字下げ
改行して別段落になっているのですから行頭を一字下げにするのがルールです。一字下げにしないルールで書いているのであれば、本文1行目の「エレベーター部品」の前もツメにするべきです。
もっと言うと、読点の打ち方や常用漢字の表記として開くべきものを漢字にしているなど、突っ込みたいところは多々ありますが、ひとまず一字下げは致命的です。
このようなことが1日に何度もあります。編集者というのは面倒くさい生き物なのです。しかし、それでも私は編集という仕事が大好きですし、続けていきたいと思っています。
オレに編集の仕事をさせてくれ…。