ハッカー
友人にハッカーがいます。
“ハッカー”と聞くと、行政や金融機関などのシステムに侵入して機密情報を違法に入手する犯罪者をイメージする人が多いと思いますが、実物は違います。
ハッカーとは本来、プログラミングなどの知識に長けた人の総称です。イメージが独り歩きしていますが、犯罪者などではなく、むしろ貴重な存在です。
しかし、一癖も二癖もあるため、付き合い方には相応の心構えが必要ですし、もし同僚や上司・部下になったらとても面倒だと思います。
例えば、私の友人はとても優秀ですが、興味がないことは一切やりません。きっと上司や同僚に恵まれているのでしょう。あれでよく会社勤めができていると常々思っています。
また、縛られることが何よりも嫌いで、カレンダー通りや定時の出社など考えられません。外に出たいときは1週間以上も会社に泊まり込んだと思ったら、1か月以上出社しないこともあります。
ただ、興味をそそるようなことをお願いすると並みのプログラマーが数か月かかるような仕事を数日で、しかもこちらが期待した以上の成果を上げます。
彼に仕事をしてもらう、何か頼み事をするときには、彼の興味をそそるようにしなければなりません。これだけでもすごく面倒くさいのです。
このような人間なので当然、個よりも集団を重視する日系で働くことはできず、結果さえ出せば何の問題もない外資系で働いていますが、びっくりするぐらいの高給取りです。
実は編集者も似たような生き物で、決まり切ったことや時間に縛られることがとても嫌ですし、私もとても苦手です。
書籍編集部がなくなり、異動してからもうすぐ1年が経ちます。毎朝決まった時間に出社し、頭を使わない定型的な業務が苦痛です。
売上計画に沿った刊行スケジュールさえ守ればそこに至るまでの過程は問わないという編集の仕事はとても性に合っていました。
今夜はバンドのリハでした。4年目に入ったメインバンドです。帰りにタバコをふかしながらぼーっと川面を眺めていました。
先週行った大阪の中之島、川が流れているというところしか共通点がありませんが、何となく自宅近くと似ているような気分になりました。
月曜日です。自宅で好きに仕事をさせてもらえればオフィスにいるとき以上にはかどるのですが、仕方ありません、サラリーマンは出社することも仕事の1つです。