電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

面と向かって話すことの重要性

携帯電話とショートメールが生まれ、それがインターネットとE-mailに発展し、ダイヤルアップは超高速ブロードバンドへと進化しました。

その過程でSNSが誕生し、コミュニケーションの在り方に大きな変革が起きました。私が子どものころには想像もしていなかったことです。

高校生のころ、彼女に連絡するには自宅に電話するしかなく、お父さんが出たときの気まずさは何と表現したらよいのか。いまとなっては懐かしい思い出です。

ビジネスの場も大きく変わりました。E-mailは24時間365日、時と場所を選ばず、連絡を取れるようにしてくれました。

超高速ブロードバンドのおかげで通信料を気にせず世界各国とまるで目の前にいるかのようにテレビ会議ができるようになりました。

これらはとても良いことだと思います。プライベートでもビジネスでも、一昔前であれば接することがなかったような人々と関わることができるようになりました。

しかし、それでも直接会って、面と向かって接することはコミュニケーションを取る上でとても重要ですし、それでなければ伝わらないことがあると思います。

新聞記者時代にも国際電話で海外在住の方にインタビューしていましたし、いまはそれがモニターを通して顔を見ながらできるようになっています。

それでも、同じ空間で面と向かって話すことでしか伝わらないことがあります。微妙な息遣いや一瞬の目の動きなど、空気の揺れのようなものです。

そう、電話やE-mail、テレビ会議では空気が読めないのです。

はっきりと意思表示しなくとも他者の気持ちを察することを良しとする日本人は、やはり面と向かって話すべきではないかと思います。

今日は大阪で面と向かって話しつつ、海外から同時に参加している方に話をうかがいました。そのせいか、面と向かって話すことの重要性をより一層、意識しました。

学生時代の同期や先輩、後輩とFacebookでつながっていて、お互いに日常のことをよく知り合っています。頻繁に会っているように錯覚しますが、会ってみたら実は5年ぶりだったということがありました。

そして、2~3時間、面と向かって話した後、お互いの近況をまったく知らなかったことに気づきました。お互いの日常を5年間も見ていたにもかかわらず、です。

テレビ会議SNSによる恩恵は計り知れません。ただ、それですべて事足りることはなく、面と向かって話すことでしか得られないものもあると再認識しました。

「足を使うことを厭わず、自分の目で現場を見て話を聞け」と新聞記者時代に散々言われました。「面倒くせーな」と思うことも多々ありましたが、いまではその意味がよく分かります。

…と、偉そうなことを言っていますが、1日のうち約6時間も移動するのはやはり面倒くさいのです。自宅から新横浜まで約30分、新横浜から大阪まで約2時間30分、片道で約3時間なので、往復で約6時間です。

もちろん新幹線の中でメールチェックなどしますが、オフィスと同じような気分で仕事できるわけではありません。例えば、隣に座ったおじさんのいびきがうるさいとか。

できれば楽をしたいのですが、楽をすると得られないものもあります。この辺のさじ加減を模索する毎日です。