電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

シビアな毎日

外資系で働くようになって数年が経ちましたが、仕事とプライベートの区別、いわゆるワーク・ライフ・バランスの意識が徹底していることにいまでも驚きます。

前職は日系の中でも特殊な日刊紙の記者というせいもありますが、外人の働き方を見ていると、これまで築き上げた働き方に対する考え方を根底から揺さぶられます。

「誰よりも遅くまで会社にいる社員が偉い」という風潮が日系にはいまだにあると思いますし、私自身もその感覚を頭の中から消し去ることができていません。

そのため、9時30分の2~3分前に出社し、18時になったと同時に帰るダイレクターやマネージャーを目にし、転職したばかりのころは本当に驚きました。

転職が決まったとき、いわゆる外資系のイメージを頭の中で描きつつ「実際は違うだろう」と思っていたのですが、本当にイメージ通りでした。

私の親父世代のような日系の働き方が間違っていたとは思いません。戦後の焼け野原をここまでの先進国にしたのはひとえにモーレツサラリーマンのおかげです。

「国民性」というひと言で片付けるのはあまりにも短絡的ですが、多種多様な考え方を持った外人と日々接していると、国民性なるものを強く実感します。

そして、モーレツサラリーマンとしての働き方は日本人の国民性に合っていると思います。それを理解せず、世論の煽りや法改正など表面的な対応で変えようとするのは無理な話です。

労働法に抵触した企業名を公表してみたり、大手広告代理店に刑事責任を追及してみたり、それらを決して悪いことだとは思いませんが、それだけで解決できるほど簡単な問題ではないと痛感します。

「定時で終わらない業務量を課している上司が無能」といったような外資系の上っ面だけを見て日系を批判するのは論点がズレています。

外資系では確かにそのような観点がありますが、その分だけリスクを背負っています。例えば、誕生日の朝に出社したらクビ宣告を受けてみたり。

権利を主張するには、まず義務を果たす必要があります。口で言うのは簡単ですが、これがどれだけ難しいことか。

定時ピッタリでオフィスを出てバンドのリハに…仕事とプライベートをきちんと分けているように見られがちですが、シビアな毎日です。

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休憩中にドラムを叩かせてもらいました。大きい音はそれだけでスッキリさせてくれるものです。