電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

“ふみ”という平仮名2文字

私はマンガが大好きです。

「いい年した大人がマンガ…ぷっ」と思った人もいるかもしれませんが、人にはそれぞれ事情があるものです。

私は書籍編集者になり、書籍を読めなくなりました。以前にも書きましたが、書籍を読むのではなく見るようになってしまいました。

いまや私にとって書籍とは、1行に何文字あるか、1頁は何行か、文字間や行間はどれぐらいか、フォントは何を使っているのか、といったように内容以外を見るものになっています。

さらに、カバーデザインは誰か、DTPは誰か、印刷会社はどこか、この定価であれば初版部数は何部か、版を重ねているようであればその理由は何か、といったように、仕事の一環として考えてしまいます。

子どものころから本が大好きで、新聞記者を経て大好きな書籍を制作できる編集者になりましたが、好きなことを仕事にしてはいけない典型例を体現しているわけです。

マンガも立派な書籍です。ただ、私がふだん制作しているような専門書と比較し、読む要素よりも見る要素のほうが強く、抵抗感が減ります。少しでも活字に接していたいという思いが、私の手をマンガに伸ばします。

「ずずずさん、主人公の男の子のうちの1人が一目惚れした女の子の名前が“ふみちゃん”ですよ!」― 先日お目にかかったうららさんがオススメのマンガを教えてくれました。

www.urarara0724.com「ふみちゃんが出てくるなら読まねばならぬ」― 休日に近くの書店に出かけましたが、残念ながら在庫切れでした。

通常、アマゾンや楽天などネットで買うと思いますが、書籍編集者としてはできればお世話になっている書店さんで購入したいと思うところです。今日の帰りに横浜駅地下街の有隣堂に寄りました。

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ありました(´▽`)

さすが神奈川県民の心のオアシス、有隣堂。ちなみに、休日に出かけた近くの書店というのは有隣堂本店だったことは秘密です。

そして大人の特権、大人買いです。このタイトルは既刊が3巻までなのでかわいいほうです。私は20~30巻でも平気で大人買いします。紙媒体にお金を惜しみません。

読みました。

……

………

…………ふみちゃん(´・ω・`)

主人公の男の子のうちの1人であるたろちゃんに思いっきり感情移入してしまいました。“ふみ”という平仮名2文字は私の心を乱します。

しかし、私にとってのふみちゃんはもう忘れるべき存在です。ドキッとしますが、ここは理性を保って区切りをつけなければなりません。

今日の帰りも自宅近くの稲荷社に寄ってふみちゃんの幸せをお願いしてきましたが、これまでと違い、自分の幸せもお願いしてきました。

みんな、先に進まないといけませんよ。