電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

小動物

「ねぇねぇ、あの超イケメンだれ?」

カスタマーサポートの女性陣が騒いでいました。複合機のメンテナンスに来ている男性がイケメンのようで、そわそわしていたようです。

複合機の近くにある倉庫に封筒を取りにいった際、私もチラ見しましたが、確かに健康的に日焼けしたイケメンでした。

お昼ごはんを食べに外に出ようとした際、ふみちゃんの同僚とばったり遭遇してしまいました。私を見て「あっ」という顔をしたのを見逃しませんでした。

この女性とも毎日、一緒だったので、顔はよく覚えていますし、あちらも私のことを覚えているのではないかと思います。左手の薬指に指輪をした派手めの美人です。

私がふみちゃんにしたことをこの女性も知っているかもしれません。いつも楽しそうにおしゃべりしているとき「実はいつも一緒だったあの人が…」「えー、きもーい」と話していたのかもしれません。

今朝もふみちゃんをこっそり見ていました。ほんの一瞬、横顔を見られるだけで、あとは後ろ姿です。前に出てふみちゃんに私を見せるわけにはいきませんし、目がなくなる笑顔を見ることなど望むべくもありません。

少し丈が短めでノースリーブ、薄いブルーのワンピースを着て今朝も元気そうに歩いていました。ふみちゃんは元気な小動物のようです。

別にイケメンになりたいなど大それたことを望むわけではありませんが、せめて普通だったらといつも思います。ブサイクで申し訳ない。

いつも私にひと言多いカスタマーサポートの女性が私に絡んできそうだったのでさっさとデスクに戻り、イヤホンを装着しました。

広告営業チームに頼まれた原稿の3本目をこつこつ書きます。