電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

望まぬ仕事も

書店営業の元マネージャーが戻ってきました…と言っても書籍編集部が復活するから営業が必要になったというわけではなく、一時的なサポートとして、です。

組織再編に伴い、これまで書籍の在庫管理や書店への出荷などを担当していた部署がそれに付随する経理業務を担当することになりました。

いまの人員では足りず、もちろん求人を出しているのですが、良い人がなかなか見つからないということで、元マネージャーがサポートで来てくれることになったのです。

書籍編集部の廃止によって元マネージャーも昨年末で退職し、今年の1月から別の版元への転職が決まっていたはずですが、3か月で退職したとのことです。

転職先はホワイトと言えないまでもブラックでもなく、ごく普通の職場だったそうですが、担当することになった書籍のジャンルが耐えられなかったそうです。

エロ漫画、しかもロリ系…

他人の趣味や嗜好にケチをつけるつもりはありません。誰に迷惑をかけるでもなく、家で1人でそのようなエロ漫画に興奮している分には何の問題もありません。

また、そのようなものを求める人がいるのであれば、提供する漫画家も必要です。職業に貴賎はなく、立派な仕事の1つだと思います。

しかし、元マネージャーは自身の子どもがまだ小さい女の子であるため、どうしてもガマンできなかったそうです。仕事を終えて帰宅し、子どもの顔を見るたびに複雑な気持ちになった、と。

営業するには当然、中を見なければなりません。毎日毎日、幼女とおっさんのそのテの絵を見て、とりあえず3か月はガマンしたものの限界に達したそうです。

元マネージャーは正社員の職を探しているので契約社員として来てくれています。次が決まるまでのつなぎですが、こちらにとっては渡りに船です。

ごく一握りの優秀な人を除き、世の中の大多数の人は生きるために望まぬ仕事をしなければなりません。贅沢を言えないことは誰もが分かっています。

ただ、それでもどうしてもガマンできないことは人それぞれあるわけで、元マネージャーにとって運悪く当たってしまったわけです。ビジネス書なども出しているところだったのですが。

最近、仕事で思い悩むことが多くなりました。先のことなど何も考えず、研究室でバルザックスタンダールについて議論していたころからずいぶん遠くに来てしまった気がします。