電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

続・ 派遣スタッフが逃げた

「今日から別のところで働き始めてるんで」

帰ろうかと思っていたところで派遣会社の営業さんから「いまから伺ってもよろしいでしょうか」と電話があったので待っていました。派遣スタッフの彼と連絡が取れたとのことでした。

夕方の時点で今後の対応策は社内ですでに整っていました。

  • 彼に任せていた作業をできるスタッフは社内で私しか残っていないので私がやる
  • 私が年明けから始めたウェブの作業は他にできるスタッフがいるので私の担当分をいったん引き継いでもらう
  • 新規事業についてはひとまず私以外のメンバーで進める

昼すぎまで現実逃避していましたが、現実しか見ないダイレクターにスイッチを入れられ、マネージャーと一気に決めました。夕方にはすっかりいつもどおりでした。

ただ、契約更新を怠った人事を吊し上げておかないと気が済まないため、マネージャーと経緯を確認したのですが、人事はしっかり契約書を作成していました。

時給アップがなかなかまとまらなかったので契約更新が遅れていましたが、条件がまとまった先週の水曜日に提示していたそうです。

しかし、彼が「いまはシャチハタしかないので、家に持ち帰って判を押して持ってきます」となったそうです。いまになって思えば、この時点で辞めるつもりだったのかもしれません。

「しっかり回収しておけよ」と思っても後の祭りです。人事にしろ、同席していた派遣会社の営業さんにしろ、急に来なくなるとは思いもしないでしょうし。

そして、派遣会社の営業さんに聞いたオチが冒頭の彼の言葉になるわけです。電話に出たものの冒頭のひと言だけですぐに切れてしまい、その後は何度かけ直しても出なかったそうです。

営業さんは土下座せんばかりの勢いでしたが、正直言って私は前の2人の件もあったので「色々な人がいるから仕方ありません」という気持ちでした。

むしろ「いまから伺ってもよろしいでしょうか」と電話してきたときの営業さんの気持ちを想像し、こちらが暗くなってしまいました。新年度初日からご苦労さまです。

あとはもう彼と派遣会社、人事の問題です。どういう契約になっているのか細かいところは分かりませんが、それは私の仕事ではありません。

ただ、昨年の10月からという短い期間で、急な休みや遅刻が多くてイライラさせられることもありましたが、せっかく縁合って一緒に仕事をしたメンバーがこのような辞め方をすることにとても悲しくなりました。

私の指示の出し方が悪かったのか、無理を強いていたのか、やはり時給の400円アップを認めてあげるべきだったのか、さまざまな考えが渦巻きます。

かなり気を遣っていたつもりですが、気を遣われていたかどうかを決めるのは彼であり、私が何か書いたところで説得力はありませんし、辞めたということが答えなのでしょう。

いくら悩んでも答えは出ません。スタッフに指示を出す立場である限り悩み続けるしかないのです。仕方ありません、サラリーマンですから。