電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

メジャーデビューへの誘い

「うちのお客さんで今度メジャーデビューするバンドがいるんだけど、ベースが抜けることになってさ。誰か良い人いたら紹介してほしいって頼まれていて、ずずずさんよかったらオーディション受けてみない?」

ベースのメンテナンスをいつもお願いしているリペアショップのオーナーから電話がかかってきました。私のプレイスタイルがハマると感じているそうです。

バンドはギターとベース、ドラム、キーボード、テナーサックス、トロンボーン、女性ボーカル×2の大編成でこの時代に正統派ファンク/ソウルを演奏しているとのことです。

そんなマニアックなバンドがメジャーですか?と思いましたが、もちろんユニバーサルやワーナーといった大メジャーではなく、小規模レーベルです。

しかし、所属アーティストのクオリティは非常に高く、評論家やマニアに一目置かれているレーベルです。私も所属アーティストのCDを持っています。

ただ、小規模とはいえメジャーレーベルからデビューするわけですから、このまま仕事を続けることはできません。レコーディングや全国ツアーがすでに決まっているそうです。

メンバーは現在、働きながら活動しているそうですが、仕事を辞めるそうです。しかし、ベーシストは安定した会社勤めを選び、バンドを抜けたわけです。真っ当な判断だと思います。

「オレの顔を立ててオーディションを受けるだけでも」と頼まれたので、ひとまずデモ音源を送っておきましたが、他のもっと上手い人に決まるでしょう。

私は音楽で生きていくつもりはありません。いまのようにセミプロぐらいがちょうどよいと思います。ビジネスになると好きなことばかりやっているわけにはいきませんから。