電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

ゴミ

「窓際に積んである書籍は年末までにすべて廃棄してください」― 著者やデザイナー、DTPなどへの献本用に、全国の書店に流通させるものとは別に数十部、各タイトルごとにいつも余分に印刷しています。

それらがすべて捌けることはなく、残るわけですが、自分が作り上げた書籍を簡単に捨てられる編集者などいるわけがなく、みんな窓際に置き始めたところ結構な山になっています。

書籍出版事業の廃止を決めた外人どもは最近、書籍を目の敵にし、弊社が出版社であった痕跡すら消そうと躍起になっています。山積みになっている書籍は彼らの格好の餌食となり、廃棄命令が下りました。

それらは誰も触れておらずスリップ(書籍の中に挟む2つ折りの長細い伝票)が挟まったまま、中には印刷会社から納品された状態で梱包が解かれていないものすらあります。

どれもまだ普通に全国の書店で売られているにもかかわらず廃棄しろ、と。要はゴミだから捨てろ、と。確かに利益率は良くなかったのでしょうけど、決して赤字ではありませんでしたし、それ以上のブランディング効果があったはず。

努力や苦労が報われないことなど何度も経験してきましたし、そんなことなどはなから期待していません。世の中、がんばったところで良いことなどありませんし、見返りなど求めてはいけません。

それでも自然と涙が出そうになります。心血を注ぎ込んで作り上げた書籍がゴミ扱いとは、しかも手に取ってページをめくったことすらない外人にそう言われるとは。

今年も残り2週間。仕事もプライベートも何も良いことがなかった、それどころかひどいことばかりだった1年として忘れられない年になりそうです。