電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

猫と喋る男

昨夜も明け方まで原稿を書いて昼前に起き、また原稿を書き始めようと思ったところで、資料をオフィスに忘れてきてしまったことに気づきました。仕方なく、オフィスまで取りに行ってきました。

オフィスには当然、誰もいません。外資なので休日に仕事をしているようでは無能扱いされてしまいます。実際には、編集部の人間は休日も仕事しているのですが、バレないよう自宅でやっているのです。

資料を取ってトンボ返りというのもバカらしいため、オフィスで仕事を少し片付けました。途中で小腹が空いたので、ふみちゃんの職場であろうと思われるオフィスビルの前を通ってコンビニに行きます。

平日であれば怖くて行けませんが、休日であればふみちゃんがいるわけもなく、安心して行けるわけです。おにぎり100円セールにつられてつい余計に買ってしまいました。

帰りの電車で、デート帰りと思われるカップルの楽しそうな姿や、遊び疲れて眠ってしまった子どもを抱っこしている幸せそうな家族連れが目に入りました。

ふみちゃんも彼氏とデートしているのか、友達とのんびりお茶しながらおしゃべりしているのか…そんなことを考えながら電車の窓から外を眺めていると、無性に空しくなってきます。

最寄り駅に着いて家までの道をぼーっと歩いていると、トモダチ(野良猫)に遭遇しました。いつもカバンに何かしらお菓子が入っているのですが、今日はたまたま切らしてしまい、タダでモフモフさせてもらいました。

満足したところで帰ろうとすると、トモダチが急に真顔になった気がしました。

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「お前、もうちょっとできるんじゃねーの?」

うん、もうちょっとやってみようかな…と言ってみようと思ったところで近くを小さな女の子とお父さんが通りかかりました。少し通り過ぎたところで女の子の無邪気な声が聞こえました。

「あのおじさん、猫と喋ってるよ。変な人」

世知辛い世の中です。涙でモニターがかすんでいますが、もう少し原稿を書かないと。