電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

採用見送りの理由

「キャラ的に合わないため」― 編集長、面接を受けていただいた方に対するお断りの理由としてそれはありません。いや、要はそういうことですし、端的にお伝えしていると思いますが、人事としてもそのまま伝えられません。

弊社は書籍(単行本)のほかに雑誌を発行しています。今日の採用面接は、書籍チームのマネージャーの都合がどうしても合わず、雑誌チームの編集長に同席してもらったのです。年齢は私より1歳上ですが、面接を受けていただいた方にとっては年下です。

この編集長は、知識も豊富で仕事もできます。ただ、職人気質というか風変わりというか、浮世離れしているというか、雑誌の制作以外は関心がありません。身だしなみにも気を遣わず、営業はスーツにネクタイであるにもかかわらず、自分はTシャツとデニムとスニーカーでクライアント先に同行したりします。

しかし、なぜかクライアントからのウケは良く、「彼が編集長であるなら」と連載を執筆してくれる著者も多くいます。私も編集長のことは好きですし、ヒヤヒヤしている営業を見ていつも楽しんでいます。

「キャラ的に合わないため」というのも、編集長らしいお茶目な回答だと思いますが、人材紹介会社に採用見送りの理由を伝えなければならない人事の立場になれば、もう少し具体的な理由を考えてあげなければ。

人事に突き返され、まさに (´・ω・`) な顔をしている編集長に「ずずずさん、理由を考えてもらえませんか。できれば、そのままコピペして人事に送れるようにメールでまとめてください」と頼まれました。

私が「ちょっとなあ…」と思った最大の理由は「チームワークができなさそう」ということです。実績や経験は文句なしで、ある1冊の書籍を最初から最後まですべてお任せするのであればよいと思いますが、今回は複数人で役割を入れ替えながら5冊を制作しなければなりません。

また年齢を不採用の理由とするのは禁止されているのですが、そうは言っても現実はそう簡単ではありません。自分より年上の方にはどうしても気を遣ってしまいます。というわけで、次のような理由はどうでしょうか。

複数人での作業に向いていらっしゃらないように感じました。1冊、もしくは1シリーズを最初から最後までお任せするということであればお願いしたいと思いました。実績を拝見し、我々が教えていただくことも多いはずです。しかし、今回は複数人で1シリーズを制作します。今日は編集、明日は調べ物、明後日は目次や索引の本文との突き合わせ…といったように日によって担当することが変わり、ご自身の思うとおりに進められない場面が多くあると思います。そのようなとき、ご自身のこれまでのやり方にとらわれてしまい、柔軟にご対応いただけないような印象を受けました。

わ、われながら結構、気を遣っていると思うのですが。

「複数人での作業に向いていない=チームワークができない」ということです。これはあくまでも人材紹介会社に伝える理由で、人材紹介会社は本人を傷つけないようもう少しオブラートに包んで伝えると思います。

採用見送りの理由は本来、伝えなくても構いませんし、「当社が求める人材と異なったため」とかいうのが一般的かと思いますが、数々の不採用通知を受けた経験がある私としては、できるだけきちんとお伝えすべきなのではないかと思うわけです。

明後日は別の方の面接がセッティングされています。キャリアシートを拝見しましたが、「えっ、何でそんな資格を持っているのに、それを活かせる仕事に就かないの?」と思ってしまうような方です。またクセがありそうな。

それにしても、つい1か月前は退職合意書へのサインを迫られていたのが、なぜ真逆の立場になって採用する側にいるのか。人生、何があるか分かりません。ふみちゃんのような美人と私のようなブサメンの間に何かが起こる…可能性もゼロではないかもしれません。