電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

うがった見方

「移動先を提示できていなかった4人のうち、3人には別のポジションを用意できました」― やるじゃん、ディレクター!営業サポートへの異動を提示されている同僚と私、ポジションを用意された3人が夕方、ディレクターに呼ばれました。

3人のうち、2人は私と同じオンラインメディア、もう1人は同僚と同じ営業サポートです。ディレクターからそう言われた瞬間、3人が明らかにホッとした表情を見せました。

ただ、これで会社に感謝する必要はありません。弊社はある分野の専門書籍を刊行しているのですが、編集部員のように専門知識を蓄えた人材はなかなか見つかりません。会社側にとって残ってほしい人材であるはずです。

うがった見方ですが、会社に感謝させる、会社に借りを作ったと思わせるべく、わざともったいぶっていたのではないかとすら思います。営業やマーケティングは別のポジションを提示されることなく、問答無用でクビです。悲しいことですが、外資系を信用してはいけない、ということを今回の件で痛感しました。

ディレクターが去ってから、5人で話す時間を得られました。事前に営業サポートへの異動を提示されていた同僚も、今回新たに別のポジションを提示された3人も、いまのところ受けるつもりであるそうです。

以前にも書きましたが、転職活動はものすごい労力を必要とします。今回の3人は優秀な編集者ですので、転職先は見つかるだろうと思います。しかし、いまと同じ条件かどうかは分かりませんし、そもそもいつ見つかるのか分かりません。

もっとはっきり言うと、良くて現状維持、ほとんどは条件が悪くなるでしょう。まあその点については、弊社がそれなりに良い条件であるということもあるのですが。

転職エージェントが公開している転職体験記などでは、年収が大幅にアップした成功事例しかありませんが、そんなものはごく一部です。転職はそんなに甘いものではありません。正直言って、私は2度とやりたくありません。

“どうやら仕事がありそうだ”というだけで心持ちが変わり、少し余裕が出てきます。先週からみんな、集中力を欠いていました。ひとまず当面の雇用を確保したことで、落ち着いて転職活動を始めるのもアリです。

とりあえず今回の話を受けておいて、もし良い転職先が見つかるようなことがあれば遠慮なく移ればよいと思います。「受けると言ったからその準備をしていたのにどうしてくれるんだ」と言う資格は会社にありません。ボールは当分、こちらの手の中にあるわけですから。

なお、今回、別のポジションを提示された3人の中に後輩は入っていません。彼は入社してから2年弱ですので、専門性が備わっていないと判断されたようです。ただ、彼の行き先は確保できているので、私はそれほど深刻に考えていません。ほかの4人はかなり憤っていましたが。

昨日、今日と私の外出が続き、後輩とすれ違ってしまったので、某中堅出版社の件はまだ後輩に話せていません。明日の午前中はお互いに少し時間がありそうですので、話してみようと思っています。