電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

2年前の思い出

2年前のことを考えると否応なくふみちゃんのことを思い出します。

退職合意書へのサインを迫られた日から毎日、玄関からの一歩に苦労しました。「このままずっと行かなくても誰も気にしないんだろうなあ」と思えてしまい、泣きそうになりました。

しかし、それでも何とか出社できたのはそこにふみちゃんがいたからです。もし、ふみちゃんがいなかったら、すぐに心が折れてしまっていただろうと思います。

ふみちゃんはそんな私のことなど知る由もありません。いつもスマホを見ていましたし、乗り換え駅で一緒になる同僚の方々と楽しそうにおしゃべりしていました。

ふみちゃんと仲良くなりたいなどブサイクが身の程知らずのことを望んではいけませんでした。ただそこにいてくれるだけでよいと身の程をわきまえるべきだったのです。

転職したいまも京急に乗り続けています。

転職先の定時は前職より少し早くなりましたが、距離が近くなりました。ふみちゃんと一緒だった以前の時間の電車に乗るとオフィスに着くのが10分前でちょうどよいのですが、1本前の電車に乗っています。

サラリーマンにとって朝の数分はとても貴重ですし、以前の時間の電車は停車駅が少ない快速特急なので比較的、空いていて楽なのですが、無理して1本前の特急で通勤しています。ふみちゃんに私の姿を見せるわけにはいきませんから。

朝の京急に乗るとふみちゃんのことを思い出してしまいますが、改札を出てオフィスまで歩いているうちに忘れ、仕事モードに頭が切り替わります。

そう、毎朝の通勤電車で一緒になる女性を好きになるなどうつつを抜かしている時間は私にありません。明日は部を代表して偉い外人に英語で来年の事業概要を説明することになっています。

部長に想定問答集をもらったのですが、すべて日本語でした。朝までに英語に直さないと。