縁は異なもの
バンドメンバーの募集といえば、私が学生のころは楽器屋やライブハウスへの貼り紙でした。本名や電話番号を明記していて、個人情報保護の概念など欠片もありませんでした。
それがいまの主流はウェブです。バンドメンバーの募集サイトに条件を書き込み、応募やその後のやり取りはすべてメールです。顔を合わせるまで個人情報を伏せることも可能です。
また、楽器屋やライブハウスの貼り紙を見るのはその地域のプレイヤーのみですが、ウェブであれば全世界のプレイヤーとつながることができるわけです。
実際にバンドメンバーを募集した際、想像すらしていなかった地域から応募がくることもありますし、YouTubeにアップした私のバンドの動画を見て欧州から連絡をもらうこともあります。
しかし、現実は不思議なもので、全世界とつながることができるにもかかわらず、実際に募集してみた結果、徒歩数分に住んでいる人がバンドメンバーになることがあります。
私がサブでやっているバンドのギターはウェブ上で募集しました。何回かメールのやり取りをしているうちに「あれっ、もしかしてご近所さん?」と思うようになりました。
そして実際のリハで会って聞いたところ、お互いのマンションは100メートルぐらいしか離れていませんでした。加入してもらって以降、近所のスーパーでよく顔を合わせるのですが、これまでも知らないうちにすれ違っていたのでしょう。
昨夜はこのギタリストと飲んできました。音楽話に花を咲かせ、良い気分でお開きにしても歩いて帰れるというのは最高です。近所に飲み仲間ができるとは。
縁は異なものです。