電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

マティーニ

「まさかこのまま真っ直ぐ帰るつもりじゃないよな?」― 昨夜は定時で上がり、神奈川県民の心のオアシスである有隣堂(書店)に寄って売れ筋をチェックしているときに声をかけられました。

もう書籍編集者ではありませんが、書店で売れ筋をチェックするのは身体に染みついた習性です。何より書店に漂う紙の匂いを吸うことでホッとします。

声をかけてきたのは近くでバーを経営するバーテンダーでした。国際大会で優勝したことがある文字通り世界一のバーテンダーですが、私のようにたまにしか顔を出さない客にも気さくに接してくれます。

バーテンダーと客という単純な関係だけでなく、私のバンドのファンで、ライブを頻繁に観にきてくれるという関係でもあります。私にとっては年上のカッコイイお兄さんです。

「マティーニください」

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私はふだん、マティーニを頼みません。いかにも、という感じがするのと、単純に美味いと思えないからです。アルコール度数も高くてキツいですし。

それが昨日はなぜかマティーニが飲みたくなったのです。あちらも「ん?」という顔をしていました。そして飲んでみたらやはり美味しいと思えませんでした。

腕は抜群ですし、マティーニとしては完ぺきですが、やはり私はそもそもマティーニが苦手なようです。空きっ腹だったこともあり、1杯だけで酔いが回ってきました。

昨日は心が少し荒れていました。せっかくのカクテルをそんな気持ちで飲むのはいけないと思い、1杯だけで帰ってきました。帰り際に「落ち着いたらまた来いよ」と言われ、そのような雰囲気を醸し出していたことに気付きました。

こんな飲み方をしているようではいつまで経ってもガキのまま。スマートに飲めるようになるのはいつのことやら