電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

マスコミ or マスゴミ

「お前さ、きっと最近のテレビ局の報道に呆れてるよな?」― 民放某キー局の経済部記者に転職した新聞記者時代の先輩から久々に電話がかかってきました。

用件は私が以前、良い関係を築いていたある人を紹介してほしいというもので、この先輩なら紹介しても問題ないと思い、本題はすぐに終わりました。

ただ、先輩の性格からしてメールで済むようなことをわざわざ電話してくるからには何か話したいことがあるに違いないと思っていたところ、案の定、愚痴を聞かされました。

タレントのアルコール問題が連日、ワイドショーを賑わせていますが、元マスコミの私としては「仕方ない」と思っています。何だかんだ言いながらそれを求める視聴者がいるのですから。

そして、番組制作を支えるスポンサーも自社製品・サービスを伝える良い機会だと思っているので、どれだけゲスな内容であってもテレビ局は取り上げるわけです。むしろ、ゲスであればあるほど積極的になります。

マスコミを“マスゴミ”と称して批判する人はたくさんいますし、その通りだと思います。私自身、新聞記者時代に「オレらってゴミだよなあ」と思ったことは数えきれません。

ただ、ゴミでも思考を放棄することはありません。マスコミがゴミであることを求める人がいて、その期待に応えてゴミを演じている人がいます。そして、それが仕事というものです。

お金を稼ぐ、つまり生きていくということは苦しいものです。この世に生まれたからには誰もがその責任を負っているわけで、そこから逃げることはできません。

ところで、問題を起こしたタレントは入院したそうですが、たぶん独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターにいるのではないかと思っています。神奈川県は三浦半島の先のほう、京急の最寄り駅からも離れた場所にあります。

アルコールをはじめ、さまざまな依存症治療を専門とする病院で、アルコール依存症の治療については日本で一番の実績を誇ると言っても過言ではないところです。

新聞記者時代に先輩が約3か月間、休職してここに入院していたので、お見舞いに1度だけ訪れたことがあります。そこでは衝撃的な光景を目の当たりにしました。

書き始めると長くなるので控えますが、初めて廃人を目にしました。あの場の雰囲気の異様さを伝える言葉がいまだに見つからないほどです。

私はタレントのファンではありませんが、復帰を心から願っています。タレントとしてではなく人間として、ですが。