電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

アルコール依存症(その2)

アルコール依存症は鬱病などと同じ心の病気です。巷を騒がせているタレントが「アルコール依存症と診断されたことはない」と言っているようですが、それはきっと内科を受診していたからでしょう。心療内科に行けば即、アルコール依存症と認定されるはずです。

以前も書きましたが、新聞記者にはアルコール依存症が多くいます。特に全国紙の政治部や社会部の記者は程度の差こそあれほぼ全員がアルコールに頼っているはずですし、そういう記者を何人も見てきました。

新聞記者は日々、半端ないプレッシャーに追い込まれています。毎日のことですから、ネタが見つからなかったと言って白紙で発行することなど許されず、それでいて価値がないニュースを載せるわけにはいきません。

また、新聞社には上昇志向の強いエリートが集まります。他紙の記者を出し抜くことはもちろん、同僚の記者に先んじてスクープを報じて出世したいと思っています。毎日、社内外での競争にさらされています。

競争を勝ち抜くには他人よりたくさん働くしかありませんし、事件は昼夜を問わず発生するため現実的に考えても長時間労働になります。全国紙よりは多少緩い地方紙の記者だった私でさえ、無茶苦茶な働き方をしていました。

久しぶりに自宅に帰ることができたものの、数時間後にはまた取材に出かけなければならず、しかし気が昂ぶってすぐに眠れないようなとき、手ごろなアルコールに手を出すわけです。

全国紙の記者はもっと過酷で、次の取材まで2~3時間しかないようなとき、ハイヤーの中で一瞬だけ眠るためにアルコールを摂取することもあります。その2~3時間を逃したら次にいつ眠れるか分からないからです。

こうして気付いたときにはアルコール依存症になっているわけです。さらに続きます。

(その3に続く)