本当に美味しいもの
「こんなにたくさん、すまんな」― 朝寝坊したら親友からLINEが入っていました。子どもにあげたお年玉のことです。
彼も奥さんも上場企業に勤務しているため、世帯収入は相当の金額であるはずです。生活にはまったく苦労していないと思います。
ただ、3年前に横浜市内に一軒家を購入したばかりですし、子どもは来年、私立の小学校を受験するそうです。お金はいくらあっても足りません。
私には子どもがいませんし、姉も独身なので甥っ子や姪っ子もいません。親友の子どもであれば私の子どものようなものです。
私があげたお年玉で子どもにおもちゃを買い、それで浮いたお金で年に1~2回、私と飲んでもらえれば十分です。独り身は金の使い道がありません。
親友とは高校時代からの付き合いですが、昨日、奥さんと子どもの3人で話している姿を見て「大人になったなあ」としみじみ思いました。
高校時代にヤンチャしていたわけではありません。ただ、親友はラグビー部、私はテニス部で、いつも泥だらけになっていたことを思い出すと、とても年を取ったような気になります。
「思えば遠くに来たもんだ」― よく耳にするフレーズの意味がようやく分かり始めたお正月です。
ちなみに、冒頭のひと言はお年玉だけでなく私が作った料理に対するものでもあります。昨日は自慢の腕を振るった数々の料理の最後を蟹鍋で締めました。
彼らが食べている間、私は料理を作ったり洗い物を片付けたり、ずっと立ちっぱなしで、ほんの少しつまむぐらいでした。
ただ、私は自分で作ったものを「美味い」と言いながら食べてもらっているのを見るのが好きなのです。思いっきり料理させてもらって大満足です。
それに、私の本来の目的は、鍋を食べたあとの残りで雑炊を作ることです。具材をそのまま食べることはもちろん美味しいのですが、本当に美味しいのはそのあとの出汁です。
きょうの朝ごはん兼昼ごはんは蟹雑炊です。最も美味しいところをもらってしまい、むしろ申し訳ないぐらいです。
さて、これからメールチェックして、あすからの仕事に備えようか。