電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

公平、平等

「“公平”“平等”という言葉はそろそろ辞書から消すか、語釈を書き換えませんか?何なら僕が書きますよ?“かつて存在した概念”とか」

学生時代の先輩に某出版社で辞書の編集に携わっている人がいます。まさにリアル『舟を編む』の世界です。

同業ということもあって年に1~2回、飲む機会があるのですが、酔っ払ってくると必ずと言ってよいほど冒頭の話になります。

先ほどNHKで放送していた『平成タイムトラベラー』なる番組を見ていました。平成という時代を振り返るものです。

1時間番組なので広く浅く振り返る程度でしたが、結論を押しつけずに事実を伝えるだけというのが逆に考えを想起させられました。

このテのことは書き始めると止まりませんし、論文として書けるようなテーマですので、いまは書きません。平成という時代が終わる来年の4月末までに自分なりにまとめてみようと思っています。

ただ、公平や平等という価値観が完全に崩壊した時代であるという認識を持っています。私にとっての平成はこれに尽きます。

公平や平等という概念はいつの時代でも内実をほんのわずかしか伴っていませんでした。しかし、平成という時代で完全に消え去ったと考えています。

天皇陛下の退位が近づくにつれ、各メディアはさまざまなテーマで平成という時代を検証するはずですが、私にとっての平成は公平や平等という価値観の崩壊です。

政治学者や経済学者、社会学者による、平成という時代を振り返る書籍がこれからたくさん刊行されるでしょう。その中で、文学者や哲学者による書籍が出たら注目されるかもしれません。

…正月ぐらい仕事のことを考えるのはやめておこう、うん。

ちなみに、私はNHKの受信料を払っています。国民の義務などという真面目なことを考えているわけでは決してなく、NHKに文句を言いたいからです。

NHKの在り方には疑問を感じますし、契約を解除して集金を無視することもできますが、文句を言うのであればまず受信料を払うべきなのかと考えています。

NHKの受信料についても公平や平等という言葉で語られることが多いのですが、そのような価値観が崩壊した現代において、これも見直されるべきものの1つではないでしょうか。