電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

努力と才能

「ずずずさんの文章って七色の文章ですね!」

お世辞なのか単に語彙に乏しいのか、はたまた天然なのか分かりませんが、会社でこのように言われました。

新聞社にいたときも、通常記事はともかく人物を紹介したりコラムを書いたりしたときは「お前は自在に書き分けるな」とデスクに感心されたことがありました。

もちろん、ある程度は意識しますが、私は直感で書きます。そして、少し時間が経ってから読み返してみると確かにどれもまるっきり違います。

「才能ですね」と言われることもありますが、そんなことはありません。10代からずっと続けてきた努力の賜物です。

世の中には努力の積み重ねをひっくり返す才能などないと思っています。もしあるとするなら、凡人より努力の方向性を早く見つけられるぐらいでしょう。

それによってすぐにできるようになったと思われがちですが、努力を積み重ねてきたことに変わりはありません。

今日は久しぶりに編集者らしい仕事をしました。赤字が戻ってきて、それを整理している間に別の赤字が戻り、まず先の赤字をDTPに送ったところでさらに別の赤字…の繰り返しでした。

外にお昼ごはんを食べに行く時間もなく、スーパーでサンドイッチとお茶を買い、それをデスクでかじりながらひたすらゲラを制作しました。

そうして気づいたら午後9時近くになっていました。集中しているときは時間があっという間に過ぎていきます。数人しか残っておらず、静まりかえったオフィスの空気が久しぶりでした。

記者や編集者は基本的に夜型です。集中力が高まってしまえば周囲の雑音など気になりませんが、それまでは些細な物音ですら気になって仕方ありません。

その結果、世界が寝静まる夜中に仕事することが多くなってしまうわけです。新聞記者は24時間働きますが。

私の根っこにあるものは記者であり編集者です。仕事は金のためと割り切れればよいのですが、頑固な私にはできそうもありません。

もうすぐ1年が過ぎますが、丸くなるどころかますます鋭く尖ってしまったようです。この思いをこれからどこにぶつけていこうか。