電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

基本のナポリタンとバッタのから揚げ

あのね景子さん、うちに来るのはよいけど、起きたときに死ぬほどびっくりするから、眠っている間にベッドに潜り込むのはやめてって前にも言ったよね?

しかもあなた、うちに来てメイクを落とす前にほっぺにチューしましたね?顔を洗おうと思って鏡を見たら、ほっぺに思いっきりキスマークが付いていましたよ?

「眠っている間にベッドに潜り込むのは悪いと思って、チューしたら起きると思ったのに起きないんだもん」― 美人だからってかわいく言えば何でも許されると思うんじゃない…許すけど。

いずれにしても、自宅に美人がいるというのはよいものです(正確には男ですが)。独り身の男の殺風景な部屋が何となく華やかになったように感じます。良い匂いがしますし。

「ずずずくんのナポリタン食べたい!作って!」

そんな美人の大好物の1つがナポリタンです。高級フレンチが似合う美人のくせに、景子さんはB級グルメが大好きです。さらにゲテモノが好きという(これについては後ほど)。

台風が接近中にもかかわらず、今日は夕方に予約が入っているそうです。景子さんのネイルサロンはまだ駆け出したばかり。お客様はすべて受け入れなければなりません。

景子さんは私のナポリタンが少し時間がかかることを知っています。そのため、早めに言ったわけです。台風が接近していてもがんばって働く景子さんのために作ります。

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パスタを時間どおりに茹でます。後から調理することを考慮してゆで時間を1分ほど短めにするレシピが多いのですが、ナポリタンにアルデンテは必要ありません。ナイデンテです。

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茹で上がったパスタをザルにあけ、水気を切ったらバットに移し、サラダ油を軽くまぶします。冷めたところで冷蔵庫で1時間以上、寝かせます。これによってパスタがモチモチになります。

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ケチャップと具を用意します。ナポリタンといえばケチャップ味ですが、ウスターソースとほんの少しのコンソメを隠し味として加えます。具はソーセージとピーマン、玉ねぎです。

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具を炒めます。

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しんなりしてきたところで具をフライパンの片側に寄せ、ケチャップを投入して炒めます。こうしてケチャップの余分な水分を飛ばすことで仕上がりが水っぽくなるのを防ぎます。具と和えてさらに加熱します。

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寝かせておいたパスタを投入し、ソースと絡めながら炒めます。「パスタを炒めるなんて!」とイタリア人に言われそうですが、ナポリタンは日本料理です。

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炒め上がったところで火を止め、バターを少し加えます。このひと手間でコクが出ます。

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完成です。上品に食べるものではありません。粉チーズを「これでもかっ!」というぐらい振り、口の周りを真っ赤にして頬張りましょう。

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「昨日、ファンさんがお店に来て、差し入れもらったの!」と景子さんが冷蔵庫から出してきたのがバッタのから揚げです。甘めの味付けとレモングラスの風味が絶妙です。

ファンさんというのは景子さんのお店の近くで約20年、タイ料理店を経営するタイ人の女性です。「肝っ玉母ちゃん」「ゴッドマザー」という呼び名が合う女性で、私もよく知っています。

景子さんも私も好き嫌いなどなく、何でも美味しく食べられます。景子さんは手術したり女性ホルモンを投与したり、身体に色々と負担をかけていますが、食べ物を美味しく食べられるのは良いことです。

ちなみに、このバッタのから揚げ、日本のイナゴより大きく、足は硬くて口の中が切れます。足は外して食べましょう。