電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

間を埋めるための言葉

「えー、上半期の成績に関する報告は以上です。で、えーっと、次に下半期の計画について、えー、ご説明します。えー、お手元の資料の、えーっと、5ページをご覧ください。で…」

少し誇張していますが、それほど的外れではないと思います。プレゼンなど大人数の前で話すときはもちろん、1対1で話すときでも“間”を嫌って「えー」「えーっと」と発していないでしょうか。

時間にしてみると1秒にも満たないコンマ何秒の間ですが、人は一瞬の沈黙を嫌います。それを埋めるために、無意識のうちに「えーっと」などと発してしまいます。

実際の会話であれば気になりませんが、このように文字にしてみると、これがいかにうっとうしいか分かると思います。

「上半期の成績に関する報告は以上です。次に下半期の計画についてご説明します。お手元の資料の5ページをご覧ください」

間を埋めるための言葉を抜いてみるとはっきり分かりますし、実際の会話でもこのように話してみるとより一層、相手に内容が伝わるものです。

以前にも書きましたが、これを実践しているのが小泉純一郎元首相と息子である小泉進次郎衆院議員です。この2人の演説や会見が人を惹きつけるのは、間を埋めるための言葉を発しないからです。

試しにYouTubeで「小泉進次郎」と検索してみてください。選挙戦の真っ只中、各地での演説の動画がたくさんアップされています。

そして、それを見ながら自分が話しているつもりになってみてください。自分だったら「えー」「えーっと」と言っているであろう箇所で、彼は1度も言いません。これまで気にしたことなどないと思いますが、これに気づくと驚くと思います。

これが訓練したものなのか、それとも天性のものなのかは分かりませんが、応援演説に引っ張りだこであることも納得です。無駄口を叩かず、余計なことを言わず、重要なことだけを言えば伝わるのは当たり前です。

新聞記者時代にこの2人にカコミインタビューをしたことがあります。2人とも並の議員が「えーっと」と発してしまうであろう箇所でも沈黙に耐え、こちらをじっと見据えていました。

政策の良し悪しについてはいま述べることでないので省きますが、少なくとも沈黙に耐えられるという器において、父は首相になるべくしてなったと思いますし、息子は将来必ず首相になると思います。

プレゼンなど大人数の前で話すとき、友人と雑談するとき、私もこのように無駄口を叩かず、伝えたいことだけを話すように心がけています。

こう話すようになったのは、新聞記者時代にインタビュー記事を書くのに録音を聞き直したとき、間を埋めるために自分で発している「えーっと」という言葉のうっとうしさに気づいたからです。

ただ、私のようにまだ訓練が足りない小市民は間がどうしても長くなってしまうため、発言の前に色々と考えている過程が見えず「何を考えているのか分からない」となってしまいがちです。

リアルの私と話をしたうららさんから昨夜アップしたエントリーに対して「間合いが独特」というコメントをいただきました。

私は無駄口を叩かず、余計なことを言わず、自分の考えをきちんと話そうとしていたのですが、そのための沈黙、間が独特と感じられたのかもしれません。初対面の方の場合は特に気を遣いますし。

私にとってきちんと話そうとしている間が、相手にとって「なに考えてるのか分かんない」となり得る可能性があることにはなかなか気づきません。

「えー」「えーっと」という間を埋めるための言葉は、実は人の潜在意識に心地良く働きかけるものなのかもしれません。そう考えると、適度に挟むのも必要なのかもしれないと思い悩むわけです。