電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

町の本屋さんとリハーサルスタジオ

「お疲れさまでした!夜も遅いのでお気をつけてお帰りください!」

3月から参加しているもう1つのバンドのリハを今夜こなしてきたのですが、帰るときにスタジオのスタッフに声をかけられました。

リハーサルスタジオのスタッフもずいぶんと教育が行き届き、常識的になったものだ…としみじみ思いました。

私がバンドを始めた中学生のころ、リハーサルスタジオといえば個人経営のものしかなく、数も多くなかったため、殿様商売と言っても過言ではないほどでした。

スタッフもメジャーデビューを目指して嫌々バイトしているロン毛の金髪ばかりで「お前らと違ってオレは本気でプロを目指してるの」といった具合に見下してきました。

しかし、いまは会社組織となり、主要駅周辺に何店舗も展開するチェーンのリハーサルスタジオが多くあります。

例えば、私がよく利用している“クラウドナイン”というスタジオは神奈川県を中心に6店舗あります。

www.cloud-9-studio.com学生時代に数店舗だった“ノア”にいたっては都内を中心にいつの間にか22店舗にまで達しています。

www.studionoah.jpこうなると殿様商売では生き残れません。機材などが最新であることは当たり前、スタッフは親切丁寧な接客ができなければなりません。

また、私が学生のころは当たり前のようにスタジオ内に灰皿がありましたが、いまスタジオ内でタバコを吸おうものなら出入り禁止になります。

スタジオ内もロビーも明るく清潔であることは当たり前、若い女性が1人で訪れたとしても快適でなければ選ばれません。

リハーサルスタジオに入るたび、アマゾンや楽天といった大企業と個人経営の町の本屋さんの関係性が思い浮かびます。

会社組織となったといえどもリハーサルスタジオとアマゾンや楽天を比べるべくもありません。ただ、何となく似ているな、と。

今夜のバンドのメンバーが初めて利用した個人経営のリハーサルスタジオが11月いっぱいで閉店すると聞いたからかもしれません。

私も1度、そのリハーサルスタジオを利用したことがありますが、ロビーは薄暗く、機材は旧式、さすがにスタジオ内は禁煙ですが、分煙が徹底されておらず、ガールズバンドは近寄りがたい雰囲気でした。

また、チェーン店はいまや24時間受付可能なネット予約が当たり前ですが、そのリハーサルスタジオは電話受付のみです。利用する側として、ネット予約はとても便利です。

「時代の流れに乗れなかった」といえばそれまでですが、今夜利用したクラウドナインの店内にハロウィンの装飾が施されていたのを見て「仕方ないか…」とセンチメンタルになってみたわけです。

f:id:wakabkx:20171012011207j:plain