高野豆腐で3品作ってみた
「リクエストしていいです?高野豆腐、楽しみに待っています」― いつも楽しく拝見しているブログを書かれているミツコさんからお料理のリクエストをいただきました。
いまはなき「注目のブログ」で偶然、拝見したのだろうと思います。また、拝見したのがたまたまウェブ上で嫌がらせを受けていることに関するエントリーでした。
そのとき、私もちょうど2ちゃんねるにさらされて好き勝手に書かれて凹んでいたときだったので、何となくそのまま拝見するようになったのですが、いまでは独特の視点と文体に惹かれ、更新を心待ちにしています。
そのミツコさんからのリクエストであれば応えないわけにはいきません。作ります。
高野豆腐とは豆腐を凍らせて熟成させた後に乾燥させたものです。肉を食べられない修行僧の食事、精進料理の食材として知られていると思います。
最近では高タンパク低カロリーなダイエット食品として知られていますが、そのほかにも生活習慣病に好影響があるという研究成果が発表されるなど、とにかく健康に良い食べ物であることは確かです。
高野豆腐は乾物なので水分を含ませて戻す必要があります。最近は戻し不要のものが多く販売されていますが、やはり戻したほうが良いと思います。
戻す際はお湯を使いますが、熱湯だと型崩れします。指を入れてみて少し熱いと感じるぐらい、たぶん50~60度ぐらいのお湯で戻します。そしてお湯をかけた瞬間、一気に膨らみます。
10分間ほどお湯に浸して戻した後、水で押し洗いします。水がにごってくるのは汚れではありませんが、このにごりを取るのが大切なひと手間です。
まず1品目、定番の煮物を作ります。高野豆腐そのものには特に味がありません。だし汁や一緒に煮る具材の旨味を吸わせます。
今回は鶏の胸肉と冷蔵庫の野菜室に残っていた舞茸を一緒に煮込みます。
今日は休日で時間があるので、昆布と鰹節でしっかりと出汁をとります。そこに醤油と酒、みりん、砂糖で味を調えて煮立たせます。ちなみに、普段は出汁の素です。
一口大に切った鶏の胸肉を入れ、その後に高野豆腐と舞茸を入れてコトコトと煮ます。高野豆腐が鶏と舞茸の旨味を吸っていると思うとウキウキします。
はい、完成です。てっきりあると思った万能ネギがなく、彩りに欠けますが、高野豆腐から鶏と舞茸の旨味がじゅわっと染み出ます。なお、ハート型のお皿については触れない約束です。
次に2品目、揚げ出し豆腐を作ります。私の大好物です。ただ、ミツコさんからリクエストをいただいたのにいつもと同じように作っては面白くないので少し工夫します。
高野豆腐に紫蘇を巻きます。
その上に豚バラ肉を巻きます。
片栗粉をまぶして揚げ焼きにします。
別に作っておいた餡をかけます。餡も普通のものではつまらないので、大根おろしをたっぷり加えたみぞれ餡にしてみました。
最後に3品目、チンジャオロースを作ります。高野豆腐は肉の代用にされることが多いので、高カロリーになりがちな中華を少しでも低カロリーで味わおうという魂胆です。
ただ、働き盛り食べ盛りの私にとって肉無しは寂しいので、少しだけ肉を入れます。通常の肉の3分の2を高野豆腐に置き換えるだけでも腹肉への影響が変わるのではなかろうか…という、ささやかな抵抗です。
通常のチンジャオロースと同じように、肉と高野豆腐に醤油と酒、塩胡椒で下味をつけ、片栗粉をまぶします。
味を馴染ませている間に野菜を炒めます。竹の子を買うのを忘れ、冷蔵庫の野菜室を漁ったところなぜかレンコンがあったので代わりに入れます。火が通ったところでいったん、別皿に取ります。
肉と高野豆腐をフライパンに入れ、オイスターソースや醤油などで味をつけ、野菜を加えて炒めます。何度も書いていますが、私の料理は「醤油1秒」というセルフ単位です。大さじや小さじを使わないのでクックパッドに投稿できません。
完成です。もちろん、本物の肉と違いますが、腹持ちも十分ですし、肉の代わりという役目を十分、果たしていると思います。
高野豆腐で料理したのは何年ぶりだろう…というぐらい久しぶりに作ってみました。男の一人暮らしではなかなか選択することがありません。しかし、久々に食べてみると「美味いな…」としみじみ思います。
要は一生、私の料理を食べてみたい食いしん坊の天使を(以下、略)。