電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

舵を切り直す時

「質の高い書籍を制作されていると思っていただけにとても残念です」― 今日、久しぶりに顔を合わせた書店員さんに言われました。

先日お目にかかったうららさんがマンガを紹介されており、マンガ大好きの私としてはすぐに読みたくなり、天気も良かったので近くの書店に出かけました。

www.urarara0724.comアマゾンや楽天で注文すれば確実ですが、日頃からお世話になっている書店を応援する意味でも、私は極力、書店で購入するようにしています。

私の場合、単に書籍を購入するだけでなく、新刊や売れ筋のタイトルを調査するという仕事の一環でもありますし、たくさんの書籍に囲まれて紙の匂いを吸い込むことが心地良いということもあります。

残念ながらうららさんオススメのマンガは在庫切れでしたが、その後、弊社で刊行した書籍がいつも並んでいる専門書の棚に無意識のうちに足を運んでいました。

弊社が出版社としての機能を停止した7月末以降、その書店のその棚には意図的に足を運ばないようにしていました。辛くなることが分かっていたからです。

また、私が編集者であることを知っている書店員さんと顔を合わせることに何となく後ろめたさを感じていました。弊社が書籍の出版をやめることについて連絡が届いているはずだったからです。

その書店員さんは弊社で刊行したタイトルをしっかりと読み、良いときも悪いときもはっきりと評価してくれていました。そして、神奈川県内の書店で初めてフェアを開催していただいた恩人でもあります。

何となく恩を仇で返した気持ちになり、ずっと避けていたのですが、今日はつい足が向いてしまいました。自身の仕事を再確認したかったのかもしれません。

しかし、そこに弊社のタイトルは1冊もありませんでした。常時6~7タイトルは並んでいたにもかかわらず、です。「あれ、ずずずさん?」― 呆然としていたところ、書店員さんに声をかけられました。

弊社が書籍の出版をやめることについては8月上旬に連絡が届いていたそうです。そして、書店の方針ですべてのタイトルをすぐに返品したそうです。

弊社が返品を受け付けるのは年内いっぱいです。書店員さんはギリギリまで置いておきたいと粘ってくれたそうですが、無理だったそうです。

神奈川県内で最も大きい書店で、それなりの“企業”ですので仕方ありません。粘っていただいただけでもありがたいことです。

書店員さんは仕事中ですのでそれほど細かい話はできません。日を改めてきちんとお話しする約束をして帰ってきました。

「詳細を知らずに偉そうで申し訳ありませんが、ずずずさんは紙にこだわり続けたほうが良いと思います。それが書籍という形でなくとも」― 帰り際、書店員さんに言われました。

書籍出版事業の廃止が決まった昨年の7月以降、私の頭の中には常に怒りや恨みという、負の意識がありました。誰かに会うたび、グチグチ言っていました。

自分でもそれは仕方ないことだと思いますし、もし友人がそのような状況だったら本人の気持ちが切り替わるまで聞き続けるであろうと思います。

しかし、自分がそこでずっと立ち止まっていたら、いつか自分のそばから誰もいなくなってしまいます。私はそろそろ舵を切り直すべき時なのかもしれません。

仕事だけでなく、ふみちゃんのことも。