電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

渡る世間は

「ずずずさんってこんなカッコイイバンドやってるんですか」

フロアが違ったので話したことはないものの、お互いに顔と名前、部署は知っていたので社内で会えば挨拶する程度の関係だった女性に話しかけられました。

ライブ情報などを更新し、新しく作り直したバンドのフライヤーを何人かの同僚に渡したところ、そのうちの1枚を目にし、載せてあったURLからYouTubeの動画を見たそうです。

いまのバンドは4年目に入り、メンバー同士の信頼感も抜群です。全員、プロの現場を経験したことがあるほどなので演奏は申し分ありませんし、とても安定しています。

「一度、ライブを観てみたいので教えてください。こういうの好きな友達がいるんで連れていきますね。すごい美人ですよ!」

……

………

…………よ、喜んで!

オススメは10月7日(土)のワンマンです。うちのバンドだけで2ステージをこなすため、いまのところ20曲をご用意しております。

毎回欠かさずに観にきてくれて「ずずずさんのベース、最高っす!」と言ってくれる5人の熱心な男性ファンより、1人の女性ファンのほうがやる気が出ます(最低)

「そうだ、その友達の彼氏もバンドやってるんで、観たいって言ったら一緒に連れてきてもいいですか?」

男性ファンのみんな、一瞬でも裏切ろうとして申し訳ない。どれだけ美人であろうと、古くから私のベースを好きになってくれた君たちのほうが大切だ。

そんなに美人であれば彼氏がいないわけがありません。渡る世間は鬼ばかり、もとい渡る世間はカップルばかり。私の恋人はベースです。

ベーシストは孤独な生き物です。