電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

敗戦濃厚

「ずずずさんは転職しないんですか?このまま一生、こんな仕事を続けるんですか?」

元書籍編集部で、いまは営業サポートにいる同僚と久しぶりに顔を合わせました。同じ社内にいますが、フロアが違うので意外と会いません。

彼は私より年上で40歳を超えています。小学生の子どもが2人いるため簡単に辞めることができず、仕方なく営業サポートに異動しました。

ただ、書籍の編集という仕事が大好きであるため、書籍出版事業の廃止が決まってから地道に転職先を探しているのですが、なかなか見つからないそうです。

彼は書籍の残務処理に加わらず、書籍編集部の解体の発表後にすぐ異動したため、営業サポートの業務を始めて間もなく1年です。そろそろ我慢の限界のようです。

「そういえば、ずずずさん、インドに行かされるそうじゃないですか。書籍編集部の功労者なのに何でそんな扱いを受けるんですか」

……

………

…………マテ!

「うちのフロアはその噂で持ちきりですよ」と言われ、愕然としました。東京オフィスでも噂が流れ始めるとは敗北の予感がします。

仕事には本来、勝ち負けなどないはずですが、大企業の中にあって出世すること、権力を握ることが勝ちと見なされることは事実です。

私はただ自分が納得できる仕事をしたいだけですが、上昇志向も少なからずあります。それを妨げられるということは負けを意味します。

一スタッフがダイレクターに勝負を挑むこと自体が間違っていたのかもしれません。いや、勝負を挑んだつもりはまったくなかったのですが、信念を曲げなかったらこうなりました。

敗戦濃厚です。