電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

身も心も外資系

「支社長にはどうしてもやりたい新規事業がある。来月に来年の事業レビューがあって、そこで何としても予算を取ってくるから、その編集長を任せるつもりだ」

1月~12月が会計年度の弊社ではこの時期“Mid-Year Review”といって、昨年末に設定された今年の目標の進捗などを確認するマネージャーとの面談があります。

支社長と私が先日、連れションしながら話したことをマネージャーは知らないため、同じことを言ってきました。新規事業を計画していること、私をその責任者に充てるつもりであることはどうやら信用できそうです。

昨年の大規模な組織改編とそれに伴うリストラの当事者になって以降、私は社内で誰も信用していません。信用しろ、というほうが無理な話です。

そもそも、いま社内で最大の権力を誇っているのは私の上司であるダイレクターです。支社長は今年の2月にきたばかりでまだよく分からず、マネージャーはダイレクターの部下です。

いまさらですが、ダイレクターはいわゆる部長、マネージャーはいわゆる課長です。ただ「代理」「係長」「主任」といったポジションがなく、ダイレクターとマネージャーの2種類ですので、それぞれに与えられる権限は大きなものになります。

各部署のダイレクターの中でも私の上司であるダイレクターが最も社歴が長く、細かいことをよく知っているため、必然的に権力を持ってしまいました。

ダイレクターは支社長の部下になるわけで、支社長のほうが偉いのは当然ですが、事業レビューの際に「以前はこうだった」など細かく意見をできるのはダイレクターです。

新規事業についてはダイレクターも知っているはずですが、その責任者に私を充てることまで知っているかどうかは分かりません。

もし、知ったら、ダイレクターはあの手この手で阻止するのではないかと思っています。予算がつかなければどうしようもなく、私はこのまま飼い殺しです。

「承認されれば」って承認されなかったらどうするの?「もう少しガマン」っていつまでガマンすればいいの?支社長もマネージャーも信用できません。

信じられるのは自身の能力のみです。私を高く買ってくれるところに自分で自分を売りつけることで生きていかなければなりません。

いつの間にか私もすっかり外資系に。今夜会う人は“ザ・日系”といえる新聞社で長年生きてきた人です。話が合うかどうか。