電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

認識の甘さ

「日本市場では新興だった当社のブランド構築において彼は多大な功績を残しました。その経験はニューデリーオフィスにおいても存分に生かされるはずです」

ダイレクターが書いた私の推薦文を入手しました。ニューデリーオフィスにいる元同僚から送られてきたとのことで、イギリス人の同僚が転送してくれました。

本文はもっと長く、英語で書かれているので、あくまでもニュアンスのみですが、誰もが「そんなに優秀ならぜひ欲しい」と思うようなことばかりです。

そして、最後は次のように締めくくられていました。

「彼のような優秀な人材を手放すことは東京オフィスにとっても大きな痛手ですが、ニューデリーオフィスの発展が当社全体の発展に繋がると信じています」

ダイレクターの怒りは、私が思っている以上に激しく、本気で私を潰すつもりであることを再認識しました。日本支社全体の売り上げより自身のメンツが重要なのです。

外資系に対する認識が甘かった、と言われればそれまでかもしれません。上司の命令に背くことの重大さ、それによって良い成果を得たとしても評価されないということを軽く見ていました。

ただ、ここまでの仕打ちは“かわいさ余って憎さ百倍”という面もあるのではないかと思います。それぐらい、それまでの関係は良好だったのですから。

念のために心の準備をしておいたほうがよいのかもしれません。とりあえず帰りに書店に寄って『地球の歩き方』のインド版を購入しようか。