電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

盛者必衰

「あれ、ずずずじゃね?こんなところで何やってんの?」

オフィスエントランスで学生時代のサークルの同期に遭遇しました。むしろ私のほうが「何やってんの?」と聞きたいところです。

今日は弊社でセミナーを開催しているのですが、それを聞きに来ているそうです。そういえばヤツはこの分野だったと思い出しました。

「いまここで編集者やってんだ」。Facebookでつながっているのでお互いの近況はよく知っているのですが、実際に顔を合わせるのは数年ぶりです。

SNSはとても便利です。Facebookのおかげで学生時代の同期や先輩、後輩と再会できました。ただ、頻繁に顔を合わせていると錯覚してしまうのが難点です。

ヤツの記憶の中の私はまだ新聞記者で、転職してここで働いていることを知りませんでした。そんなヤツも私の記憶にある会社から転職していました。

「雑誌は会社で定期購読しているし、本も結構、買ってるよ。この前の『○○○○』なんかすごく細かく書いてあって分かりやすいよ」

私が担当し、4月に刊行したものでした。「それ作ったのオレ。ほら、ここに名前載ってるだろ」。ヤツがそのタイトルを持っていたので教えました。

本を作る仕事とは、日本全国の見ず知らずの人々と繋がることです。自分の知らないところで誰かの役に立っていると思うと、とても嬉しくなります。

もちろん、酷評を受けることもあります。アマゾンなどの書評で「編集者の目が通っているとは思えない」と書かれ、凹んだことがあります。

しかし、それも貴重な意見です。どのような点がダメだったのか、時間を置いてから見直し、次のタイトルに反映していきます。

ただ、弊社で書籍を刊行することはもうありませんし、私が制作することもありません。「また面白いもの出したら教えてよ」と言われましたが、彼の期待に応えることはできません。

今年から異動したオンラインの仕事はまったく楽しくありません。頭を使わず、機械的にキーボードを叩いているだけです。

先月までは書籍の仕事が残っていましたが、それも外注先に手放してしまったため、進行管理と問い合わせに答える程度です。

盛者必衰です。

一昨年ごろの私は盛者でしたが、いまは衰退しています。ただ、逆を言えば衰退の時期がずっと続くことはありません。いまの盛者が衰退し、また私が盛者になりえます。

それまでじっと耐えるのみです。