時間厳守
「当たり前だけど、学生時代からそんなに性格変わってないよな?それだったらお前にインドは絶対に無理だからやめとけ」
インドに駐在した経験がある学生時代のサークルの先輩がいたことを思い出し、連絡を取ってみたところ、上記のお言葉をいただきました。
私のモットーは“自分に厳しく、他人に優しく”です。自分で言うのもなんですが、我慢強く、他人に対して怒ることは滅多にありません。
部下がどれだけ些細なミスをしても「自分は絶対にやらないとは言い切れない」と考え、責めることはしません。
良い仕事をするには心の余裕が必要です。“人間であれば誰でもミスをする”という余裕を常に持ち、他人に対して寛容である必要があると思っています。
…と、これだけを読むと聖人君子のようですが、私も人間ですので、怒ることがあります。それは遅刻です。時間にルーズな人間にはガマンできません。
待ち合わせしたとき、どれだけ注意していても、電車の遅延や道路の渋滞など、自分ではどうにもならないことがあります。
そのようなときは構いません。待ち合わせの数分前であっても、何かひと言、連絡をもらえるだけで怒る気持ちは消えます。
しかし、事前に何の連絡もなく、さらに遅刻しても“すみません”のひと言すらなく、何とも思わない人がいることも事実です。
日刊紙は毎日、締切があります。締切に間に合わないからといって、新聞を白紙で出すわけにはいきません。時間厳守は絶対です。
出版社は毎日のように締切があるわけではありませんが、それでも年間の刊行計画があるため、決められた月に刊行しなければなりません。
新聞記者、編集者と、私は就職してから常に納期に追われてきました。納期を守ることは絶対であり、それを守れない人間は評価に値しません。
「向こうの人間は“午前9時ごろ”って言うと午前9時~午後5時ぐらいと平気で考えるからなあ」― 先輩に言われて血の気が引きました。
もちろん、すべてがそのような人ではないはずですが、私が普段、接している人々よりは相当多いはずです。やはり私にインドは無理かもしれません。
「“午前9時ごろ=午前9時~午後5時ぐらい”と思えないのは寛容ではない」と思う人もいるかもしれませんが、申し訳ありません、私には無理です。
つまり、インドへの異動が決まることは退職を意味します。
幸いなことに転職先には困っていません。「ずずずさんならいつでも大歓迎なので連絡ください」というところがいくつかあります。
東京オフィスも人材が足りていません。支社長がどこまで食い止めてくれるか、すべてはそこにかかっています。
そろそろ身体を張ってネタを提供する芸人体質を返上したいところです。