電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

最終目標

電恋の最終目標とは何なのでしょうか。

もちろん彼氏と彼女の関係になることですが、話しかけたり連絡先を渡したりすることすらできない人がほとんどの中、勇気を振り絞ってコンタクトを取り、たった1度だけでもそれに応えてもらえたら十分ではないかと思います。

メールやLINEで返信をもらえる、たとえそれが「申し訳ありませんが、彼氏がいますので」「結婚しています」といったものであっても、無視されるよりよっぽどよいと思います。

仮に連絡先を渡すことができたとしても、返信をもらえることは稀です。特に男性の場合、相手の女性に怖がられたり気持ち悪がられたりし、無視されても何も言えません。それが当たり前の反応だからです。

翌朝、いつもの時間、いつもの場所に行ってもそこに彼女はおらず、そのまま会えなくなる。もう2度と会えなくなるぐらいであれば、いつか自然に会えなくなるそのときまで、ずっとこのままでいい。

それは1つの選択ですし、なぜ私はその選択肢を選ばなかったのか、ほんの一瞬だけ身の程を見失ってしまったのかと後悔しています。あのときふみちゃんにコンタクトを取らなければいまでもすぐ近くにいられたかもしれません。

それでもやはり私がここにいることを知ってほしい、私の話に耳を傾けてほしい、ふみちゃんのことを私に話してほしい、そのときだけでよいから目がなくなる笑顔を私だけに向けてほしいと思ってしまいました。

人の欲望は尽きることがありません。1つの欲が満たされると、さらにそれを上回るものを望んでしまいます。ふみちゃんと毎朝一緒になれるだけでよかったものが、私の存在を知ってほしいと欲が出ました。

ブサイクなのに。

ふみちゃんが幸せになれるならほかの男と一緒でも構わないなど奇麗事です。できることならその役は私が担いたい。しかし、それが絶対に無理だと分かっていれば、せめてふみちゃんの幸せを祈るしかありません。

残りの未読メールは大したことないものばかりで、あっという間にチェックが終わりました。広告案件も残りわずかで、ほんの一瞬だけ竜巻が発生しましたが、暴風雨が長く続くような状況ではなくなりました。

いまはぽっかりと待ち状態に入ってしまいました。制作に没頭できる暴風雨の状態のほうがふみちゃんのことを考えずに済むためよっぽどよいです。嵐が過ぎ去るのと同時に私もこの世からすっと消えてしまえたらよいのに。

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