電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

続・お見合い

「悪いけど、昨日の人と結婚するつもりないから」――帰りの車で両親に宣言しました。

両親は私の性格をよく分かっています。お見合いで結婚などしないと思っていたでしょうし、不意打ちが気に入らなかったと思っていたようです。

「そうよね。妹には適当に言って断っておくから」と母親が言ってくれましたが、理由はもちろん不意打ちではありません。

ふみちゃん…。

私は結婚したいわけではありません。だから婚活などしていませんし、独身のままずっと1人で生きていっても構わないと思っています。

これから先、何が起こるか分かりません。気が変わるかもしれませんし、運命的な出会いがあり、急転直下で結婚しているかもしれません。

しかし、いまはどうしても昨日の女性と結婚する気になりませんし、付き合ってみたとしても気が変わるとは思えません。

ふみちゃんの存在がなければ、とりあえず関係を保ってみようという気になるだろうと思いますが、いまは無理なのです。

相手の女性には何の非もありませんし、私にはもったいないぐらいだと思います。断ることに対して本当に申し訳なく思います。

「つべこべ言わずに、とりあえずあの巨乳を揉んでおけ」という悪魔のささやきが聞こえますが、結婚を望んでいる女性と遊ぶわけにはいきません。

PCのモニター越しに「何だよ!」という声が聞こえますが、申し訳ありません、私にとっての女性はふみちゃんだけなのです。

仕方ありません、好きになってしまったのですから…。

これを断ってしまうと、結婚はおろか彼女ができるチャンスすらなくなると思います。それは頭で分かりますが、それでもふみちゃんがいます。

明日からまた、ふみちゃんを遠くから眺める毎日が始まります。ふみちゃんと何か進展があるとはまったく思えません。

それでも…ね、「何でここまで」と思いますが、こうなってしまったのです。理屈で何とかなるものではないのですよ。

ただ、ふみちゃんに気づいてほしいと思うこともありません。ふみちゃんは、ふみちゃんが望んだとおりに幸せになってくれればよいのです。

そこに私はいなくてよいですし、むしろいないほうがよいはずです。ふみちゃんが幸せであれば、私はどうでもよいのです。

PCのモニターを見つめ続けて疲れていた目に新緑が染み込んだ土日でした。明日からまた外人どもとバトルします。