電車の中の恋人

酒とタバコと電気ベースと料理とキャリア…まあいろいろ

修学旅行の中学生

「すみません、写真お願いしてもいいですか」― 裏でタバコを吸っていたら、修学旅行で兵庫県から来たという中学生のグループに声をかけられました。

数枚撮ってカメラを返そうとすると「せっかくだから撮りなよ」「えー、いいよー」という小声のやり取りが聞こえてきました。

もしかして…と思ったら予想どおりでした。「この2人だけで撮ってもらってもいいですか」とお互いにもじもじした初々しいカップルが出てきました。

「この2人、昨日から付き合いだしたんですよ」と世話焼き係のような女の子から情報をいただき「それなら手ぐらいつなぎなよ」と私も便乗してみました。

手を握った瞬間、2人とも顔が真っ赤になりました。この年頃の子をからかいすぎるのはよくありません。さっと撮って終わりにしてあげました。

ったく、中学生でもカップルなのにオレはいったい…。

朝イチでダイレクターに詰められた後、いつものようにコーヒーを飲みながらふみちゃんを眺めていました。同僚と2人で楽しそうに話しています。

目がなくなる笑顔を向けられて、2人で並んで歩ける男がいるのか…ふみちゃんの後ろ姿を眺めながらそんなことを考え、朝イチで怒られたことも相まって落ちました。

窓ガラスにうっすらと映る自分を見て、何てブサイクなのだろうとしみじみ思います。われながらブサイクで申し訳ない。