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電車の中の恋人

通勤電車で一緒になる女性に恋して散ったブサメンの日常

職務

「仕事とはどういうものかよく分かっていないのか?」

朝イチでダイレクターに詰められました。まさかこれだけのキャリアを積んできたにもかかわらず“仕事とは何か”という根本的な部分で怒られるとは思いもしませんでした。

ダイレクターはセクショナリズムで怒っているわけではありません。外資系と日系の働き方に対する根本的な違いに基づき、怒っているのです。

以前も書きましたが、外資系で働くということは本当の意味での“就職”です。契約書に職務内容が明記され、それ以外のことは求められません。

例えば私の職務は編集部における編集と明記されています。同じ編集業務といっても広告営業チームのそれをやる必要はありませんし、やってはいけません。

いくら困っているといっても、それを解決するのは広告営業チームであり、よっぽどのことがなければ他部署からのヘルプなどありません。

これに対して日系は“就社”です。営業で入社したにもかかわらず、数年で経理や人事、広報、経営企画など内勤にまわり、また営業に戻ったり…とさまざまな職種を経験します。

営業にいても経理のことを分かっていたり、広報のことを分かっていたり、周囲が困っていたら助けることができます。

そうして会社全体をよく理解していきます。1つの会社に忠誠を誓うわけで、その対価として終身雇用を約束することで日系は成長してきました。

雇用の確保を大前提とする日系では、例えばリストラをすることになっても、その前にまず配置転換などを行い、何としてでも解雇を回避しようとします。

例えば編集部の縮小に伴う配置転換で営業へ異動ということが当然のように行われますし、当事者も「クビになるぐらいなら」と受け入れるでしょう。

外資系ではこのようなことはありえません。編集というポジションを用意し、編集“だけ”をやってもらうために採用したのですから、ほかの職務に就けることはありません。

当事者も「これまで編集のキャリアを積んできたのだから営業へ異動するぐらいなら別の会社に移る」となります。海外では“キャリア”に対する意識が強いのです。

去年までは編集部で広告営業チームの面倒を見ることになっていましたが、組織が変わり、今年からは編集部が関与しなくなりました。

ただ、いきなりは難しいので、私がサポートで数回だけ取材に行ったり、原稿を書いたりしていたのです。ダイレクターとしてはそれでも十分すぎるほどリソースを割いたと考えています。

私はここまでドライに割り切ることができません。契約書に書かれていないことでも、それによって長時間労働になっても、土日がつぶれても、誰かが困っているなら助けたいと思います。

「それは君の仕事ではないことをよく理解するように」と釘を刺されて解放されました。仕事をして売り上げに貢献して、それで怒られたわけです。

いまだに日系の意識が残っているので釈然としません。バレない方法を考えます。次にバレたら本当にクビになりそうですが。